呪術廻戦でおなじみ!「リョウメンスクナ(両面宿儺)」のあらすじ・感想まとめ – 2chの怖い話
「リョウメンスクナ(両面宿儺)」とは
リョウメンスクナとは、現代から1,600年以上も前、第16代天皇である仁徳天皇の時代に現れた異型の人、怪人である。または、それを記載した都市伝説の1つ。漢字では「両面宿儺」と書き、その名のとおり、両面(2つの顔)を持つ。
2つの顔は前後反対方向を向いており、4本の腕を持ち、下半身については膝の裏のくぼみと足の踵がなかったと言われている。
名前であろう「宿儺」に関しては諸説あるが、ゆかりの地である飛騨地方には彼の名を擁した施設や食べ物もある。なお、「宿儺」には「悪いものを追い払う」という意味があるそうだ。
日本書記では皇命に逆らう凶賊と記載されている一方で、飛騨地方においては地域の司祭者として愛されていたという真逆の顔を持つ。
「リョウメンスクナ」のあらすじ
建築関係の仕事をしている投稿者が、岩手県の古い寺社を解体していた時のこと。仕事仲間が本堂の奥から古い木箱を発見する。
元住職に木箱について尋ねてみたところ「絶対に開けるな」と言われるも、アルバイトの人間が勝手に開けてしまった。その中にあったのは…。
起:黒ずんだ長い木箱
建築関係の仕事に就く投稿者は、岩手県の古い寺社の解体をしていた。仕事中、同僚が本堂の奥の部屋で、黒ずんだ2メートルほどの長さの木箱を発見して投稿者に報告した。
木箱に貼り付けられていた紙はボロボロで、書いてある字もほとんど読めない状態であった。釘で打ち付けてあったため開けることもできず、業者に聞いてみるも「明日、昔の住職に聞いてみる」という頼りない返事。この日はひとまずプレハブに保管することになった。
承:木箱の中のミイラ
翌日。業者経由で元住職から連絡があり、「絶対に箱を開けるな、自分が引き取る」とのこと。情報共有のため現場に行く前に現場監督に連絡すると、既に外国人のアルバイト2人が面白半分で箱を開けてしまったという…。
放心状態のアルバイトを前に箱の中を覗いてみると、そこにはミイラがいた。しかも頭が2つ、腕が左右2本ずつ、足は2本と奇形そのものである。
その後、木箱を引き取りに到着した元住職は投稿者たちにお祓いをしてくれた上で、「あんたら長生きしないよ」という言葉を残し去って行ってしまった。
その言葉通り、アルバイトのうち1人は心筋梗塞で死亡、もう1人は精神病院へ。解体作業員3人も謎の高熱で寝込み、投稿者も釘を足で踏み抜き5針縫うという大惨事となった。
転:リョウメンスクナ
投稿者は、リョウメンスクナは「宗像教授伝奇考」という漫画の中に出てきた記憶があるという。その中でスクナというのは大和朝廷以前の時代に日本に文化を伝えた外来人で、スクナ族は羅魔船(カガミノフネ)で日本に来た、と描写されているとのこと。
羅魔は「ラマ」で、黒檀系の木の名。今回の黒ずんだ長い木箱もラマで、あのミイラは逃げ延びて岩手地方に来たスクナ族の末裔なのかもしれない、と投稿者は考察する。
結:カルト教団によって生み出された「リョウメンスクナ」
後日、事情を知る元住職の息子と電話で話すことができた投稿者。そこで件のミイラは、大正時代に見世物小屋に出されていたという驚愕の真実を知る。リョウメンスクナは、邪教とされたカルト教団によって生み出されたという。
カルト教団はリョウメンスクナを作るために、以下のような恐ろしい呪法を用いた。
カルト教団の教祖は、見世物小屋で奇形の人間を数名購入し、蠱毒(コドク=壷に毒虫を数匹入れて生き残った虫を使う呪法)を人間で行う。地下の密室に押し込み、最後に生き残ったのが件のミイラとなった人間だったのだ…。教祖は生き残った所で餓死させて、防腐処理を施して即身仏としたのだという。こうしてリョウメンスクナが生まれた。
リョウメンスクナは呪い仏として教団の本尊に祀られた。驚くべきことに、呪いの対象は個人ではなく、国家だったそうだ。事実、リョウメンスクナが移動した地域(教団の支部?)では次々と災害に見舞われている…。教祖の自殺を持って、災害は沈静化したというが、近年の大災害とも関わりがあるのではと囁かれている。
「リョウメンスクナ」の伝承
日本書紀においてリョウメンスクナは、皇命に従わず、人民から略奪することを楽しんでいた。それゆえに大和王権からの命で討伐された、と記載されている。
その一方で飛騨地方においては、悪鬼や毒竜を退治したり寺社を建立したりするなど、英雄的に扱われる一面も持つ。
ミイラを持ち帰った元住職と息子もその後連絡が取れなくなったというので、リョウメンスクナが現在どこの寺社に封印されているのかは謎のままである。
ただし、どこかの寺社で黒ずんだ長い木箱を見つけた際は、決して開けないことだ。リョウメンスクナの呪いに見舞われるかもしれない…。
カテゴリ――2chの怖い話
リョウメンスクナを読んだ人の感想
この話は本当に後味が悪い。まず投稿者は普通に仕事していただけで巻き込まれただけ、さらにお坊さんとその息子も行方知らず、極めつけは関係者たちが長生きできないと言われるなど、全く救いがないのである。 リョウメンスクナが移動した地域には厄災が起こる、桜島の大噴火に関東大震災など。これを聞いて「白面」を思い出したのは私だけではないはずだ。呪いの対象が日本国家そのものというのも「白面」を彷彿とさせる。 とはいえ非常によくできた話で読後に余韻が残ることは確かだ。
一言で言うのならば少し作り込みが浅い部分が目立つのが残念。 なぜならばリョウメンスクナというのは東海圏内ではどちらかと言えば善良な民を助ける異形の神的な扱いを受けているからである。 もちろんギリシア神話のメジャーな神や人間などの登場人物でも善と悪の側面は持っており、そんな話もあるのでそれは妥協できる範囲ではあるだろう。 ただ話の流れ的にどこかで見たネタだなというのを感じてしまうのが惜しいところだ。 ゴルゴ13の連載誌であるビッグコミックでも連載されていた、ノベライズ及びドラマ化された宗像教授から引っ張ってきたことは分かる。 これに加え、カルト教団のくだりはリョウメンスクナが2ちゃんねるにアップされる数年前の人気漫画「ベルセルク」の19~20巻あたりに極似している部分があるためだ。 また冷静に考察してしまうとツッコミどころが多々あるのが極めて惜しい作品だ。 場所もリョウメンスクナのような日本書紀に出てくるキャラクターを使うのなら東北の岩手でなく九州、もしくは伝説の残る奄美大島あたりで展開した方が信憑性があり良かったはずだ。 この点ではうまくリメイクすれば化ける話だとも感じるところである。
大和朝廷由来の古代伝承や呪詛などの伝統的要素に、外国人労働者、カルト教団、寺社とその周辺の地縁社会の崩壊、などの現代的・社会的な諸問題の要素を巧みに融合させたストーリーで、読んでいてその世界観の中にかなり引きこまれてしまった。ただ、カルト教団の教祖が江戸期以前の話ならともかく大正時代に見世物小屋で奇形の人間を購入し、餓死させてその即身仏を作った…というエピソードは、正直、かなりリアリティーを損なう設定で、興ざめしてしまう感じもあった。
いわゆる、呪術系の話でリョウメンスクナ自体はその地方に存在していた英雄とか時の権力者に逆らった地元の英傑っぽいことが由来のようですが中身は完全に呪術。日本に恨みを持っている人達が行った呪術の方法であり、シャム双生児を利用した呪物。 ラストが個人的にはよくありがちなことではあるのですがなかなか好きなパターンでした。まだ呪いは終わることはない・・・みたいな感じなのは意外と好きです。歴史と絡めているあたりも恐怖をそそった。
以前、2chで怖い話を読むのにはまっていた頃に読んだことがあるはずなのだが、人の大きさくらいあるものだったということ以外、いまいち頭に残らない話だった印象。今久しぶりに読んでみても、なぜか強い関心を惹きつけられない。おそらく、なぜそうなるのかの理屈にストーリーがうまく答えていないと感じているから。リョウメンスクナの伝承の部分と寺で見つかったミイラの関連性、ミイラが呪いじみた力を持つ理由、呪いが国家に対するものである理由、カルト教団の意図など、設定ばかりが独り歩きしている感じがする。心理描写がないのも入り込みにくい理由だと思う。
幽霊や人間が怖い話ではなく、こういった祟りや得体の知れないものの怖さはじわりと興味を感じた。自身の身に祟り関連のことが起きるとは考えにくいが、初めて読んだ当時田舎で暮らしていたため少し身近に感じ、自分の周りにももしかしたらそういったものがあるのかもと思った 。しかしリョウメンスクナの誕生背景は壮大で少し現実離れした内容だったため、本当に存在するのかと好奇心も湧いた。それから、姿を見たものは長生きする事が困難ということなので語り手の現在がとても気になる。
いわゆる都市伝説と怪談が合体した形の話だが、ディティールがしっかりしているため、遠野物語のような民間伝承を読んだ時のような面白さがある。 日本書紀にも登場し、呪いのツールとしての役目がある半面、飛騨地方においては信仰対象にもなっているという真逆の顔を持つようだが、これは宗教の中ではよくある話だ。 ただ投稿者なりに羅魔船で渡来したスクナ族の末裔だなどと考察しているのが興味深い。本当のところは分からないが、これ以上、投稿者が不幸に見舞われないことを祈りたい。
背景がかなりしっかりしており、信ぴょう性が高い。前後に2つの顔を持つというのが一方で信仰の対象として、もう一方で呪法に用いられたことと通じるのも興味深い。 実際に投降者がこのような体験をしたかどうかはさておき、カルト教団を絡めたことでより怖さが増したのは確かだ。 元住職とその息子、さらに木箱の行方は不明だとのことだが、仮に木箱がどこかにあるとしたらその地は厄災に見舞われるはずだ。だとしたら国内にないことを祈りたい。
元は人間で、奇形に生まれ落ちたが故にカルト教団に利用され2度も無残な死を迎えてしまった哀れな存在。そんなことをされれば人を恨みたくなる気持ちも分かる気がします。東北地方では祀られていることもあるとかで、そのせいかあまり恐怖を感じませんでした。面白半分で箱を開けてしまった大工や外国人は住職の忠告を無視して自業自得の結果になったと思いました。ですが住職ももう少し具体的に理由や言い伝えを教えてやってもよかったのではないかという気もしました。
いかにも良くできた作り話のような気がした。ひどく怖い印象を持つわけでもなく淡々と読んでしまった!もと住職に「開けるな!」と言われるもののアルバイトが面白がって開けてしまっているというストーリーは、「やっぱりな」と思わせられてつまらない。しかし本当に、奇形であるスクナを見たとしたら腰を抜かすだろうなぁとも思う。裏表に顔があるというより、腕が四本あるというのが異形すぎて恐ろしい!想像するだけで、その点では怖かった!しかしストーリー的にはあまりゾクゾクしないなぁと感じた。
初めてリョウメンスクナの話を読みましたが、気味の悪い話だと思いました。リョウメンスクナを見てしまった作業員たちに、その後何かしら不幸な事が起こったので、呪われているのかもしれないと思います。しかし話を読み進めるうちに、リョウメンスクナとは見世物小屋に出されていた奇形を持った人間で、無理やりカルト教団によりミイラにさせられて作られた物だということが分かりました。実はとても可哀想な話なのだと思いました。一方、飛騨地方では英雄として扱われているという事も興味深いと思います。ぜひ、この地域に伝わる逸話などがあれば読んでみたいと思いました。
寺の住職が解体作業の際に、あらかじめ箱のことを作業員に言い渡していない点が不思議に思った。また、アメリカ映画「フリークス」の登場人物を連想させた。ミイラは、ヒーローとヒールの両面を持ち合わせていることから、悲しい過去があったのだろうという気持ちになった。これまた、最近のアメリカ映画「ジョーカー」を連想させ、世間の闇にさいなまれた苦悩を感じる。この話の教訓としては、寺院にある古いものなどは住職や神職者の言いつけを守り、禁忌を破ってはいけない戒めの話だと思った。
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