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【連載日記】怪談記者・高田公太のデイリーホラー通信【#4】

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新聞記者として日夜ニュースを追いながら怪異を追究する怪談作家・高田公太が、徒然なるままに怪談・怪異や日々の雑感を書き殴るオカルト風味オールラウンド雑記帳。だいたい10日前の世相を切ります。毎週月曜日と木曜日に更新予定!

2021年1月 11 日(月)

 「青森怪談 弘前乃怪」編著作業が大詰めになってきたので、家族と離れて実家寝泊まりウィークに突入。

 高田家は私と妻、現在八歳の娘からなる。

 妻は「加藤範子」という名義でコンテンポラリー・ダンサーをしていて、国内外で公演をする。なので、国外に一ヶ月滞在、東京に一週間滞在などが年に何回もある。私といえば、住まいの自室が執筆に向かないからと、よく実家で物書きをする。そして娘は「家族とはそういうもの」と解釈している。といえば、聞こえは良いが、時として娘は中々に寂しがる素振りを見せるので、そんな時は毎度「ああー。こういう両親でごめんなさーい」と思わなくもない。ちなみに、それはそれとして、家族はかなり仲が良い。

 大雪。嫌になる。

 トランプのTwitterアカウント停止は言論の弾圧にあたらないのだろうか、と五分だけ考えた。

 腰痛の酷さがそのまま締め切りの近さに比例しているように感じる。サラリーマンを終えてから物書きをしていると、なんて辛い仕事をしているんだろう、と自己憐憫の思いが募る。本当に辛い。

 聴いた音:Jacob Collier「Jacobean Chill EP」、私立恵比寿中学「Playlist」など。

#トランプ #大雪 #腰痛 #家庭 #私立恵比寿中学

2021年1月 12 日(火)

 7 都道府県に緊急事態宣言が出た。青森はまだ大雪。

 ふと、「ああ、もしかしてまた確定申告の時期がくる?」と当たり前のことを思って、気持ちが暗くなる。

 私は事務的なことをするのが本当に苦手で、もうこの辺りのことに関しては発達障害の類なんだろうと自覚している。事務仕事は、とてもとても辛い。

 オンライン怪談の書き方教室の下準備を進める。

 先生から無料で教えてもいいことを一つ。

 好きな作家の本を開いて、ただタイピングで書き写してみると、文章の書き方が分かる

 題材は怪談本でも小説でもいいし、一冊全文を書き写す必要はない。

 ただゆっくりと、

「●●は、(あ、ここで句読点)●●を●●した。(お。次の行)まるで●●のよう(この本は「様」を「よう」にするんだな)だった。しかし、●●は満月を見ながら(句読点なしか)あくび(「あくび」はひらがなにしてるのね)をした。」

 と、語句の繋がり、一文一文の繋がり、何を書いて何を書いていないかなどを考えながら、書き写すだけでいい。

 これは作家が執筆しているときの思考にシンクロさせる行いで、コツコツやっているとじわじわと脳内で革命が起きていくのである。ちなみに私は町田康「夫婦茶碗」で勉強しました。

 聴いた音:遠藤賢司「満足できるかな」、上坂すみれ「NEO PROPAGANDA」など。    

 #作家 #大雪 #上坂すみれ #物書き #緊急事態宣言 #大雪 #大雪

2022年1月 13 日(水)

 妻から配送の関係で遅めのクリスマスプレゼントいただきました。

80年代ジャーマン・ニューウェーブ(ノイエ・ドイッチェ・ヴェレ)バンドPalais Schaumburgとみんな大好きDepeche Modeのパーカー!

 うつ病になって分かったのは、好きなものに囲まれる幸せの大事さ。大人になってからどんどん無頓着になっていたが、今はアイテムに対するこだわりを持って、俺の世界を構築しようと思っている。昔はこだわりあったんだけど、ほんとおじさんになると、感性がつまんなくなって、個性が死んでいく。自己に向き合い失ったものを思い出させてくれた、という意味ではうつも悪くなかったのかも。

 こう思えるのは今は回復傾向だから。

 いいぞいいぞ。

 生きるぞ!

聴いた音:Prince「Sign O’ The Times」、Palais Schanburg「Palais Schanburg」など  

#愛妻 #Dpeche Mode #Palais Shanburg #うつ病

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書いた人

高田公太(たかだ・こうた)

青森県弘前市出身、在住。O型。実話怪談「恐怖箱」シリーズの執筆メンバーで、本業は新聞記者。主な著作に『恐怖箱 青森乃怪』『恐怖箱 怪談恐山』、『東北巡礼 怪の細道』(共著/高野真)、加藤一、神沼三平太、ねこや堂との共著で100話の怪を綴る「恐怖箱 百式」シリーズがある。Twitterアカウント @kotatakada

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