【日々怪談】2021年4月18日の怖い話~女の足

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【今日は何の日?】4月18日: よい歯の日

女の足

 ナンパした女だった。
 かなり酔っているようで、簡単にホテルに連れ込むことができた。
 美人とは言い難いが、醜いとも言えない顔立ちの女だった。
 ことを終え、会話もそこそこに二人で寝た。
 どれくらい眠った頃だろうか、右足の太もも全体にチクチクと刺すような痛みを感じて目が覚める。
 枕元のスタンドを点灯させ、布団を捲ると女の足の裏がぴったりと太ももに当たっており、まさにその接触部分が苦痛の源だと分かった。
 女の足を掴み、自分から引き離すと、太ももからわずかに血が流れていた。
 引き離す瞬間にまた違う痛みを感じたため、女の足の裏を見てみると、そこにびっしりと小さな歯の生えた穴があり、パクパクと開いたり閉じたりしていた。
 驚き、女の身体を揺すって起こした。
 女はまだ酔っているのか、ヘラヘラしながら、
 えー、なになに。
 えー、なになに。
 と的を射ない返事をするばかりだった。
 無抵抗の女の足をむんずと掴み、もう一度足の裏を見ると穴は消えていた。
 そのときには血は止まっていたが、まだヒリヒリとした痛みが残っていた。

――「 女の足」高田公太『恐怖箱 百舌』より

#ヒビカイ #よい歯の日

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