竹書房怪談文庫|怪談総選挙2019
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たくさんの作品閲覧&ご投票ありがとうございました。
1ヶ月におよぶ熱き戦いの結果が出ましたので、
ここに発表させていただきます。

2019年、令和最初の
「トップ10」はこれだ!!!


1

『恐怖実話 怪の残像』収録
「カミサマを捨てる」吉田悠軌

コメント

じっとりとした空気と、伝染する感じがとても好きです。(ume_0214様)

2

『実話怪談 寒気草』収録
「銀板写真」神沼三平太

コメント

一番不気味で印象に残りました。(エナジーボンバー様)

3

『「超」怖い話 亥』収録
「カシンワトゥイ」久田樹生

コメント

体験者の凄惨な現状とすべて終わってない結末というすべての恐怖が揃ってる。(ホウサキ様)

4

『怪談師の証 呪印』収録
「LINE怪談」伊計翼

コメント

普段から頻繁に使用しているツールだからこそ尚恐ろしく感じました。もしかしたら、明日は我が身…(万莉菜様)

コメント

著者自身の体験だからか鬼気迫る恐怖が半端なかった。(みんく様)

6

『瞬殺怪談 業』収録
「おねいちゃん」平山夢明

コメント

あれだけの文字数で恐怖を与える技術はさすが。もっと読みたくなる。(亀形メオ様)

7

『怪談売買録 嗤い猿』収録
「嗤い猿」黒木あるじ

コメント

山の中で出てくる異形の不気味さが際立っていた。(するめ様)

8

『誘ゐ怪談』収録
「白い顔の女」松本エムザ

コメント

マスカレードマスクが斬新。交際相手が次第に似てくるとこが怖い。(アカツキ様)

9

『怪談標本箱 死霊ノ土地』収録
「寂しがり屋の恋」戸神重明

コメント

現在進行形の話で、生霊の怖さにゾクッとしました。(Michaela様)

10

『学校の怖イ噂』収録
「とっぺさん」相沢泉見

コメント

学校の怪談はリアルでこわい。(emi様)

特別賞
『恐怖箱 厭還』収録
「名前を付ける」つくね乱蔵

コメント

つくね先生の作品には毎回ゾッとさせられます(Hiroya様)

なんて厭な話なんだとずっしり来ました。(Hayato様)

◆編集部総評◆

 年号が令和にかわって初のBest of Best〈怪談総選挙〉、今年も多くの方に作品をお読みいただき、投票していただきました。皆様のご参加に感謝申し上げます。おおいに悩んだという感想コメント、例年以上に多かったように思います。
 そんな中、つわもの揃いのラインナップから勝ち上がったのは、「カミサマを捨てる」(吉田悠軌/著『恐怖実話 怪の残像』収録)。コメントを紹介させていただきます。「又聞きの又聞きという構成でありながら恐怖を薄めることなく、かえって凄みを増していく点が傑作」(オ・ムラ=イス様)、「変な話なんですが、そのカミサマを探しているヒロシさんのほうが気味が悪い。最後の最後まで気味が悪い」(タコクラゲ様)。すっきりしたオチのない恐ろしさ、体験者の闇に聞き手、ひいては読み手である我々もが呑み込まれていくような凄みが実話怪談ファンの心をがっちりつかんだ結果となりました。つづく「銀板写真」(神沼三平太/著)には、「怪異を追い求める者が踏み止まるべき境界線を既に越えていると気づいた時の恐怖がひしひしと伝わって来ました」(実樹様)、「何年にも亘って残留し続ける強力な思念の悍ましさは、読んでるだけで不気味さを覚えさせられる」(童(わっぱ)様)、「カシンワトゥイ」(久田樹生/著)には、「肉を捌く描写や猿を人のように表現している場面も、後半読んでいる間、ずっと血肉の臭いが漂っているようで、気持ち悪かった」(ss様)、「土地の訛りから、猟師の生活まで描写がとにかく生々しい。信じがたい(信じたくない)恐ろしさだが、このリアルさの前には納得せざるをえない」(仁様)というコメントが寄せられています。怪異だけでなく、人間の業の深さや念の強さに恐ろしさを感じるといった意見、実話怪談としての信憑性を評価する声が高かったです。
 以上、トップ3を紹介させていただきましたが、今年も大混戦でほぼ1票差、2票差で10位まで並んでいます。トップ3が満遍なく票を集めていた(3作選ぶ中の1つに入れてくる率が高い)のに対し、4~10位は3作選ぶ中の1番に選ばれる(熱烈に推されている)ことが多く、好きな人にはたまらない作風である一方、好みの分かれるところもあったように思います。
 今回、昨年までと違うのは、〈実話怪談〉と〈怪異小説〉と2ジャンルが混合する選挙であったことが挙げられます。無論、ノミネート作品がどちらのジャンルかは明確にした上で投票を行っていただきましたが、結果〈怪異小説〉ジャンルから2作品がランクイン。「話として面白くのめり込んだ」という感想が多かった一方、実話怪談ファンからは「やはり比べることはできない、評価しにくい」という声も。ホラーといえど、似て非なるジャンル。むしろ対極と言ってもいいものだと思われますが、こうした選挙企画を通して読者の皆様が両ジャンルに触れる切っ掛けとなればそれもまた一興と思います。
 新たな試みのもう1点は「特別賞」です。最恐の1話を決める選挙ながら、何をもって「恐怖」と感じるかは人それぞれであり、また「怖い」だけが怪談の魅力ではないという想いから、あなたにとって「最も印象深かった作品」を今回は追加で書いていただきました。その結果、もっとも票を集めたのが「名前を付ける」(つくね乱蔵/著)。無論、3作選ぶ中に挙げつつ、特別賞にも推す場合が半数以上ですが、特筆すべきは3作選ぶ中には入れていないものの、印象深かったのは?という質問にこの作品を挙げてくる方がかなりの数いたという点です。「たくさん読んだけど、何となく忘れられない」という声にあるように、これもまた怪談としては大きな勲章であると思います。
 昨年10月から名前を変えてリニューアルした「竹書房怪談文庫」。本年も、実話怪談を中心に時々怪異小説と刺激的なラインナップを皆様にお届けしてまいります。来年はどのような作品がノミネートされ、ランクインするのか……戦いはもう始まっています。しかしながら、総選挙の目的は争いではなく、普段読まない作品、作家の魅力に触れていただくことです。それが編集部の悲願でもあります。期間限定の無料公開にご協力くださった全先生方にも改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。怪談が好き!実話が好き!怖い話が好き!そんな皆様の想いとともに、今年も走ります。令和2年もよろしくお願い申し上げます。

★サイン本プレゼント当選者発表★

万莉菜様、クロノアン様、Ringo1234様、都倮様、浦野様、実樹様、童(わっぱ)様、monta様、タコクラゲ様、わじちゃん様、オ・ムラ=イス様、ss様、ふわりえんぬ様、まさりん様、アカツキ様、ホウサキ様、瀬川様、ぽんぽこ様、Hiroya様、katan様…おめでとうございました!

※当選者の方には個別にメールでご連絡の上、希望商品をお伺いいたします。
 @takeshobo.co.jpからのメールを受け取れるようご設定お願い申し上げます。

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