こわくて登山にいけないよう~超コワ山怪談「山の測量」あらすじ・感想まとめ – 2chの怖い話
山の測量とは・あらすじ
測量士として働いている投稿者は、同僚と地元の案内人の3人でとある雪山に入った。案内人が途中で抜けたり、天候が荒れたりするアクシデントに見舞われながらも、順調に測量を続ける。
そんな作業の折、測量のために少し離れた場所にいた同僚のほうを望遠鏡で見た投稿者は、有り得ない光景を目にしてしまう。人の立ち入らない雪山で見たモノとは…?
起:雪山での測量
投稿者が怪異に遭遇したのは、この話を投稿した前月のことである。投稿者は測量のために、同僚のAと共にとある山に入ることになった。普通は山の測量は最低でも3人で行くのだが、1人がインフルエンザで倒れ、他に人手も空いていなかったので仕方なしにAと2人きりで行くことに。
しかし、やはり不安だったので地元のおじさんに案内を頼んだ。最終的に投稿者とA、そして案内人のおじさんの3人で山に入った。
山は前日に降った雪の影響で真っ白だったが、測量のポールがよく見えるのでむしろ作業はサクサク進んだ。午前中一杯かかって尾根を測り終えたところで、案内人のおじさんの携帯が鳴った。おじさんは電話を終えると、急に用事が出来たので山を下りると言うのだ。
不安だったが残る作業は簡単な測量だったので、しょうがないなと思いつつ、投稿者とAの2人で残りの作業をすることに。
ところがおじさんと別れた後すぐに、急に空が曇ってきて天候が怪しくなってきた。投稿者たちはこのまま雪が降ればマズイと思い、ペースを上げて測量作業をしていく。
承:雪山にポツンと立つ黒髪の女
投稿者たちが山の測量に使っていたのは、ポケットコンパスと呼ばれる器具である。方位磁石の上に小さな望遠鏡が付いているもので、それを向けた方向の方位や高低角が分かるものであった。
投稿者は、ポールを持って立っているはずのAの方に望遠鏡を向ける。しかし見えるのは地面と木立ばかりでAの姿が見えない。少し望遠鏡を動かすとロン毛の頭が見えたので、目盛りを読むためにピントを合わすが、ここで投稿者は何かがおかしいことに気づく。
投稿者もAもヘルメットを被っていたのだが、望遠鏡に写っている人影はヘルメットを被っておらず、後ろを向いている。それにAの髪の毛は茶髪なのに、見えているのは黒髪…。
投稿者はおかしいと思い望遠鏡から顔を上げて目を凝らして見てみる、Aは確かにメットを被ってこちらを向いて立っていた。しかし、そのすぐ後ろの木立にもうひとつ人影が見えるのだ…。
投稿者はもう一度望遠鏡を覗いてみた。そこにいたのは、白っぽい服を着ていて、肩を覆うほど長い黒髪の女だった…。立木に寄りかかるように後ろ向きで立っている。
ゾッとして望遠鏡から目を離した瞬間、Aが投稿者に「おーい!」と声を掛けてきた。その声が合図だったかのように、女は斜面を下って木立の中に消えていった。
Aにその女のことを尋ねても気づいていなかったようで、木立の方を探したが女の姿は見つからない。登山中の女ではないか?と話すうちに、投稿者はあることに気づく。あの女は雪山なのに荷物すら持たず1人でそこにいて、着ていた服は半袖だったのだ…。
転:Aに囁き続ける女
気味が悪いことがあった上に、天候はどんどん悪化して吹雪のようになっていく。いつの間にか携帯も圏外になっており、投稿者たちは一刻も早く山を下りたい一心で、作業を続けていった。
そしてまたAの方に望遠鏡を向けようとしたとき、さっきの女がAのすぐ後ろに立っていた…。
今度は女は前を向いていたが、吹雪のせいかよく見えない。Aは気づいていないのかじっと立ち尽くしていて、投稿者が「おーい!」とAに声を掛けても動こうとしない。
すると女が動くのが見えたので、投稿者は恐る恐る望遠鏡で女の方を覗いてみた。女は目を閉じてAの後ろ髪を掴み、後ろから耳元に口を寄せている。それはまるで、女がAになにかを囁いているような雰囲気であった…。Aは逃げようともせずにじっと俯いているのが見える。女は、そんなAに囁き続けている。
やがて女がAのそばを離れて雪の斜面を下り始めると、Aもその後を追うように立木の中に入っていくのが見えた。
投稿者は「戻れ!」と必死に声を掛けるが、Aはその声を無視してヨロヨロと木立の中を進んでいく。投稿者も測量道具を放り出してAを追いかける。逃げ出したい気持ちを抑えながらなんとかAに近づいた。
「A!A!しっかりせえ!死んでまうぞ!」と言うと、Aがこちらを振り向く。しかしその目は虚ろで、あらぬ方向を見ていたのだ。そして全く意味の分からない言葉で叫びだした。
「*******!***!」
異様だったのは言葉だけではない。Aは、下あごが胸につくかと思うほど口を大きく開き、舌は垂れ下がり、口の端は裂けて血が出てもなお叫んでいる。アゴは完全に外れているようだった…。
「・・・****!***!」
Aは今度は投稿者の方に向かってくる。投稿者は測量道具も何もかも放り出して無我夢中で山を下りた。携帯の電波が届くところまで走り、会社と警察に電話したのだった。
結:女の身元
その後、捜索隊が山に入り、投稿者は事情聴取をされることになった。投稿者は目にした異様な光景を見たまま話したが、警察は淡々と調書をとっていたそうだ。ただひとつ、女がAに何かを囁いていたという点だけは、繰り返し質問されたという。
そして、翌々日。遺体が1つ見つかった。白い夏服を来た黒髪の女だったそうだ。投稿者が見た女の特徴に一致している。
投稿者はまた警察に呼ばれ、事件が起きた時の状況について説明させられた時に、遺体について色々と聞かされたという。女の身元はすぐに分かったそうで、去年の夏に何十キロも離れた街で行方不明になっていた女の人だった。しかし警察も、なぜあんな山の中に居たのかは分からないそうだ。
投稿者はあの時のことは忘れたいと思って聞いていたが、1つ気になることがあった。女の遺体を調べたところ、両眼に酷い損傷があったという点である。投稿者はAが傷をつけたのかと思ったが、女の傷は随分古いもので「目はぜんぜん見えんかったはずや」と警察は言ったのだ。
Aの行方は今でも分かっていない。Aには生きていて欲しいと思う反面、もうAには会いたくないと投稿者は語る。ただ、投稿者は何となく嫌な予感がしたので、この話を投稿する前週に髪を切って坊主にしたそうだ…。
カテゴリ——2ちゃんの怖い話
山の測量を読んだ人の感想
双眼鏡をもって、より詳しい情報を見ることが出来ているという点において、測量士という職業が生きてきているのが良いと思います。目が見えていないという点と、目をつぶっていたという点。Aが後ろ髪を掴まれていたという点と、投稿者が嫌な予感がして坊主にしたという点。この2点が、それぞれ説明のつく因果関係ではないものの、生理的にどこかゾクリと感じさせる怖さがあって非常に良いですね。説明が付ききっていない、しかし因果関係が付かず離れずという具合なのが、非常に想像の中で恐怖を増幅させていると思います。物語としては彼女がなぜここにいたか、Aのその後などどれか1つくらい明らかになってくれた方がすっきりはしますが、これはこれでいいバランスだと感じます。
なんとなく、話の流れが分かっていたつもりでも、最後まで読むと、本当に怖くなりました。また、状況が仕事中だったということ、場所が雪山だったということ、というありそうな状況が余計に怖さを助長しました。あとは、Aと女性の状況を表す表現がとても怖かったです。Aの状況はいまだ分からないと言う最後の締めも、怖さをさらに助長していて、まだ何かありそうな予感がして眠れなくなりました。ありそうなパターンの話なのに、分かっていてもまだ怖いです。
自分が思っていたラストとは違う結末が待っていて驚いた。ついてっきり、黒髪の女は山の地縛霊だと思い込んでおり、まさか遺体で見つかるとも思わないし、そのうえ身元が判明するとは意外な展開だった…。だからこそ、この話が嘘ではないように感じた。ちなみに黒髪の女は既に亡くなっていて、誰かを道連れにしたかったのだろうか。彼女の気持ちは全く想像もつかないけど、実はAさんが見つかっていない点だけは虚偽だといいなと思ってしまう。本当にいなくなったのなら、気の毒すぎる。
Aの後ろから黒髪の女が囁いている。この部分を読んだ瞬間ゾワっとしました。まるでAを死に誘う為の死神の囁きのようで。そしてAはそれにまったく気づいていないわけですから、恐らく潜在意識下に刷り込まれたんでしょうね。そしてAは黒髪の少女の後を追うように林へと行ってしまった。怖いですね。そしてその後のAの反応も恐ろしい。恐らくアゴが外れる程のショックを受ける何かがあったんだと思います。結果的に投稿者はAを見捨てたわけですけど、これは仕方ないですね。私だって同じ状況だったら逃げると思いますから。しかし黒髪の少女は一体どういう経緯であそこで遺体となっていたのでしょうか。遺体の状態も異常ですし。考えれば考えるほど寒気のする話でした。
雪山に出現した長髪の女がAに何か囁き続けていたという言葉が何なのか、そしてなぜAの口の端は裂けてしまったのかが気になった。話の最後で女性の遺体が見つかったということなので、恐らく何か現実世界で嫌なことがあって、その恨みをはらすためにAをターゲットにしたのではないかと思う。そして囁いていた言葉というのは、現世に対しての憎しみの思いだったのかもしれない。測量という平凡な仕事から一気に大惨事へと発展するジェットコースターのような展開が恐怖感を煽って良かった。
初めて訪れた雪山の中、同行者で唯一頼りになりそうな案内人が途中で山を下りてしまうというシチュエーション、そんな中で望遠鏡越しに不気味な女をまじまじと目撃してしまった投稿者の恐怖とはどれだけのものだったのか、ちょっと想像しただけでも身震いしてしまう。さらにここからの流れも、衝撃的かつ全く予想していなかった展開だったので、恐怖を感じながらもグイグイと話にのめり込んでしまった。正直、Aが女に何かされてしまうのは予想出来たが、まさかA自身が化け物の様な姿となり投稿者に襲い掛かるとは思わなかった。投稿者の絶望感・焦燥感がストレートに伝わってくる、非常にクオリティの高い怪異ストーリーだと思う。
黒い髪の女は何かに操られていたのだろうか。それともただ単に山に入って頭がおかしくなったのか。しかし女の行動には本当にゾッとさせられたし、おかしくなってしまったAの様子はこの世のものではないようで、読みながら恐ろしくて震えた。投稿者が髪を切ったのは良い判断だと感じる。今度はAが投稿者の髪を引いて何か囁いてくるかもしれない。私は眠る前にこの話を読んだら何か得体のしれない恐怖感に襲われ眠れなくなってしまった。そしてしばらく山には近づきたくなくなった。
測量について詳しくないので、この話を読み取ることができるかなと思っていたのですが、特に難しいところもなくサクサク読み進めることができました。測量に2人で行かないといけなくなるというあたりから嫌な予感がしていて、おじさんが急な用事で山を下りるというところで何か起こるなと感じました。女が出てきてからは怖くなってきて、特に女がAに囁いた後のAの行動や顔が怖かったです。口や舌の様子、アゴが裂けるなどの描写から怪物みたいなものを想像してしまって、気持ち悪いような怖いような気持ちになりました。
山はやはり怖い。山に住むモノノケや霊の類の話はよく聞くが、平地と違ってインフラも人も全くなく、頼りになるのが自分のみという点でも地上の話よりも怖さが増しているように感じる。案内してくれていた地元のおじさんは何かを感じて先に下山したのであろうか?この話に出てくる幽霊は全くの正体不明の幽霊ではなく実際にこの山で亡くなったようだが、Aを道連れにしようとしていた点できっと現世に恨みや寂しさを感じているのだろう。成仏してほしい。 次同じ山に行ったら、似たような姿のA(の霊?)が出るかもしれない。
この話で、ポイントとなるのはAの後ろにいた女、そしてAに何を囁いたのか、そしてAが何かを見ながら発していた言葉だと思います。既に、この女の存在だけで不気味で寒気がする話ではありますが、1年前に行方不明になっていた人の遺体なのに、身元がすぐ分かったとのことなので、当初生きていたものと仮定しますと、以下のように憶測出来ます。女は、何かの悪霊又は動物の霊等に取り憑かれていた、そこにAが現れたので、ヤドカリのように今度はAの中に乗り移ってきた。そして、山に向かってそのことを独自の言葉で発していたと想像しました。投稿者が嫌な予感がしたのは、いずれ別の人間に乗り移ろうと自分の所にAが来るんじゃないかと思っているからではないでしょうか。いずれにしても、その連鎖は止まらない恐ろしい話なのではないかと思いました。
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