吉田悠軌――虫頭【新黄泉がたり黄泉つぎ】
人気作家書き下ろし怪談リレー「黄泉がたり黄泉つぎ」が新しくなりました!
「新・黄泉がたり黄泉つぎ」では当月の作家さんが来月の作家さんへ「お題」を出します。
来月の方はその「お題」にそった実話怪談を披露していただくことになります。
誰がバトンを受け取ったかは更新までのお楽しみ!
第1回目は3月28日に『恐怖実話 怪の残響』をリリースする吉田悠軌さんです!
虫頭
吉田悠軌
明美には、幼い頃の奇妙な記憶がある。
彼女が小学校に上がるまで近所に住んでいた、幼なじみのA子。そのお母さんにまつわる記憶だ。
明美とA子の家は、同じ通り沿いに並んでいた。そのため、物心ついた頃から、よく二人で遊んでいたものだった。
そして外から帰る時はほぼ必ず、手前にあるA子の家のそばを通ることとなる。
そこは小さな一軒家で、いつも台所の窓が開きっぱなしになっていた。だから夕方すぎには窓ごしに、夕飯の支度をするA子のお母さんが見える。
しかし、いつからそうなってしまったのだろうか。
その窓からはいつも、大きな虫の頭がのぞくようになった。
大きな目とアゴ。アリのようで、バッタにも似た、昆虫のような顔。
そんな「虫頭」が、台所の中にしれっと立っている。 ――<続く>
全文はコチラ
➡新黄泉がたり黄泉つぎ
第1回吉田さんからのお題はこちら!→「タブー」
どうぞお楽しみに。
著者紹介
吉田悠軌 よしだ・ゆうき
怪談サークルとうもろこしの会会長。
怪談の収集・語りとオカルト全般を研究。
著書に「怖いうわさ ぼくらの都市伝説」シリーズ、『恐怖実話 怪の残響』『恐怖実話 怪の残像』『恐怖実話 怪の手形』『恐怖実話 怪の足跡』『うわさの怪談』『日めくり怪談』『禁足地帯の歩き方』『一行怪談』『怪談現場 東海道中』など。
月刊ムーで連載中。オカルトスポット探訪雑誌『怪処』発行。文筆業を中心にTV映画出演、イベント、ポッドキャストなどで活動。
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