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廃病院の地下のあらすじ・感想まとめ – 2chの怖い話

2ch怖い話・廃病院の地下

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廃病院の地下とは・あらすじ

田舎の実家に帰った投稿者は、久しぶりの帰省で地元の友人たちと遊ぶことに。そこで地元でも有名な廃病院へと肝試しに向かうことになる。

内心怖がりつつも、若さ故の見栄と勢いで廃病院に乗り込んだ投稿者一行。彼らを待ち受けていたのは、得体のしれない”何か”であった…。

起:ある廃病院の噂〜肝試し

投稿者が恐怖の体験をしたのは大学生の頃。祖母が倒れた報せを受けて、実家に帰省した際のことである。

幸いにも祖母は大事には至らなかったが、1週間ほどの休みをとっていた投稿者は暇を持て余すことになる。そこで投稿者は、県内の大学に進学した友人3人と遊ぶことにした。

友だちがいると言っても田舎は遊ぶ場が少ない。やることが無くなった投稿者たちは、地元でも有名な廃病院に肝試しに行くことになる。メンバーは投稿者と友人AとB、そしてCの4人。3人は先に廃病院に向かい、Cは後から現地で合流することにした。

人けの無い場所にポツンと佇む廃病院。3階建てで当時は立派な建物であったことを思わせる。現地に着いたがCはまだ合流していなかったので、先に探索することにした投稿者たち。

ガラス張りの入口の正面扉は鎖と南京錠で縛られていたので、割られた窓から侵入することにした。荒れ果てた病院内の探索は、まず上の階から進めることに。

そこで階段を上る途中に後ろを振り返った投稿者は、地下に向かう階段の折り返しているところに「足」を見てしまう…。その足の向こうには地下に降りる階段が…。

承:Bに起こった異変

「足」は投稿者にしか見えておらず、ビビりだと思われるのが嫌だったので、投稿者は気のせいだと思い込むことに。2階、3階も荒れ果てていて廃墟の雰囲気はあったが、特に何もなく探索は終わり地下へと行くことになった。

地下階も荒れていたが、上の階に比べるとやけに片付いており、それが逆に違和感を感じさせる。そんなことを思っていると、Bが手術室を見つけた。手術室に向かう途中、Aが急にゲラゲラと笑い出したのでそちらを見ると、Bが転んでいるではないか。

しかし、なにか様子がおかしい。AはBを懐中電灯で照らして笑っているが、Bはなかなか起き上がらない。Bに駆け寄ると、Bは「うううう」と呻いて脛の辺りを両手で押さえている。懐中電灯でBの足を照らしてみると、Bの足は血だらけで、しかも脛の部分の骨が見えてしまっていた…

突然の出来事にパニックになりながら、Bを担ぎ上げる投稿者とA。ふと手術室のドアの方を見るといつの間にか開いており、中から異様な「何か」がこちらを見ていた…。

「何か」は太り過ぎて動けなくなった人間のような丸っぽい体型で、顔は真っ暗闇の時にライトで顔を照らしたようなぼんやりとした輪郭だが、目は光を鋭く反射して恐怖を感じさせる。

投稿者とAは、Bを引きずるようにして逃げ出す。階段近くまで来たときに、廊下の奥から「カラカラカラカラ」と音がして、そちらを向くと人の乗っていない車椅子が目前まで迫ってきていた。

車椅子はかなりの勢いでAとBに直撃し、Aは半狂乱になって走り出す。階段さえ通り過ぎて喚きながら走るA。投稿者はBを再び引きずろうとして下を向いた際に、「何か」の顔をハッキリと見てしまう。

それは子供の顔だった。全くの無表情で、怒っているようにも見える。その顔が投稿者の脚の間からこちらを見上げていたのである…

恐怖がピークに達した投稿者は、Bを置き去りにしてただただ逃げた。階段で転んだりして身体がボロボロになりながらも這うように階段を上がっていった。

転:電話越しに聞こえる叫び声

1階に戻ってきて、封鎖された正面扉を開けようとする投稿者。そこに突如としてバイクの低い音が響いた。Cが来たのである。

窓の割れ目から外に出た投稿者は、Cにここから離れるように必死に叫び、Cのバイクで病院から2、3キロ離れたコンビニまで避難した。

パニックになりながらCに病院で起きたことを説明するが、半信半疑のC。投稿者は携帯で110番にかけ、必死に助けを求めた。しばらくすると何故か携帯に雑音が混じり出し、聞き取れない音声に警察もイタズラだと疑い、切られしまう。

もう一度110番するも、コール音は鳴らず「ブツ…ブツ…」と雑音が聞こえるだけ。一旦切って掛けなおそうとするも、何故か携帯の電源が落ちてしまった。

今度はCの携帯を借りて再度110番にかける。なかなか相手が出なかったが、しばらく待つとようやく通話状態に。相手が何も言わないので不審に思いながらも事態を説明しようとした瞬間、向こうの電話から「ぁぁぁぁぁああああ」という声が聞えてきた。

はじめは何の声か分からなかったが、徐々に大きくなる声に投稿者の顔は真っ青になる。その声は、病院で最後に聞いたAの叫び声だったのだ…。

騒ぎを聞いて店から出てきていたコンビニの店員に顔や腕から血が出ていると言われ、投稿者はようやく自分が怪我をしていることに気づく。病院を出るときに割れた窓のガラスの破片で切っていたようだ。

店員が投稿者の手当てをしてくれているとき、Cの携帯に着信が。Cは怪訝そうな顔でこちらを見て電話に出る。今コンビニにいること、投稿者が怪我をして病院に連れていく必要があることなどを話していたが、「いや、もういいってそういうの…しつこいぞ、いい加減にしろ!」と徐々に苛立ちはじめ、乱暴に携帯を切ってしまう。

そしてCは投稿者を見て「お前らいい加減にしろ!」と怒鳴り、続けざまに「今の電話Bからだぞ」と言った。Cはまだ何か言っていたが、投稿者は不可解なことが起こりすぎて頭がパンクしたのか、このあたりから意識が朦朧としはじめ気を失ってしまう。

結:発見されたBの死体

投稿者が目を覚ました場所は病院だった。どうやらコンビニ店員たちが救急車を呼んでくれたらしい。怪我は思っていたより深く、腕や顔など数カ所を縫った。

投稿者は病院で警察から取り調べを受け、廃病院に行くまでの経緯とそこで起こったことを正直に話したが、信じてもらえない。それどころか薬物検査を受けさせられた。

AとBについて尋ねてみると、Bは投稿者が倒れた次の日の午後に廃病院で死体で見つかったとのこと。死因は失血によるショック死で、Aはまだ見つかっていない。Aは行方不明扱いになっているが警察は容疑者扱いしている様子で、投稿者はAの共犯なのではないかとあらぬ疑いをかけられる。

取り調べの後、Cが車で迎えに来てくれて、ファミレスに行って何があったかを話し合った。

Cは投稿者が病院に運ばれた後、いつの間にかBに連絡を取ろうと携帯を見たら、Bから30件以上の不在着信があったそうだ。ここでCもようやくこの出来事の異常性を感じたとのこと。怖くなってAとBの家に連絡するもまだ帰っていないという。ヤバいと思ったCは警察に事情を話し、廃病院へ捜索に行ってもらったそうだ。

そして、コンビニでBと電話したときのことをこう語った。

Bはひたすら投稿者のことを聞いてきて、投稿者が怪我をしていることを伝えると、「こっちには医者がいる」と言ったそうだ。Cが医者なんているわけないと言うと、「いるいるいるいる、今も手術してるから」とありえないことを言い出し、最後には、「ほんとだから。いるから。いるって、いるって、いるって…」と繰り返すだけで、頭に来て怒鳴ると電話を切られたとのこと。

その後、投稿者は何度も警察に取り調べを受けた。毎回、同じような問答を繰り返していたが、ある時、気になることを聞かれる。「Bの脛の傷はどんなだったのか?切り傷なのか、擦り傷だったのか」と。投稿者は暗がりでよく見えなかったが、骨のような白いものが見えたと答える。

警察はBの傷について不審に感じているようで、なんでも、あの場所ではどう転ぼうが何しようがあんな傷にはならないとのこと。投稿者は、警察からBが転んだときのことを本当に見ていないのかと念を押されたが、「見ていない」と答える。

取り調べ室を出るとき、投稿者は「まぁ噛みはしねーわな」という警察の呟きを聞いた。Bの脛は噛み傷だったということだろうか。そして投稿者はこう考える、Bの傷はあの時見た子供に噛まれたのではないかと…。今でもAとBから携帯に着信があったらと思うと眠れなくなるときがあるそうだ。

廃病院の地下を読んだ人の感想

心理的ダメージだけでなく、物理的なダメージ(Bの脛の怪我)も受けているのが怖いですね。ただ転んだ、もしくは壁や障害物等にぶつけただけで骨まで見える怪我ってしませんから、その怪我は病院地下に潜む「何か」によるものなのでしょう。投稿者がその攻撃をうけなかったのは幸いといった所ですね。その代わりBは悲惨な目に遭いましたけど。あと、その時の恐怖はまだ続いているという所が怖いです。なんだかんだと投稿者はBとAを見捨てて自分だけ逃走したわけですし、Bから恨まれている可能性があります。恨まれていなかったとしてもBからの電話内容から判断するに、「何か」に操られている可能性はあります。ですのでBから何らかのアプローチがきそうなのですよね。それを想像すると背筋がゾワっとします。

廃病院というありきたりな舞台ですが、事が始まったらと思ったら脛に傷どころか脛の肉がえぐれているのは衝撃的でした。しかも化け物の姿がどこかコミカルで、よくよく考えてみると愛嬌のあるキャラクターにもなりそうですが、かえってそういうのが襲ってくる方が怖く感じるんですよね。また、最後の方のCにかかってきた電話がしっかり効いてました。Bらしき声の異常さが不気味で、化け物たちの主人公に対する執着も恐ろしく伝わってきました。

この手の話は大概行方不明になるか、目の前でケガなどせずあとで死体として見つかり、そこで変な傷・変な跡があるのが多いように感じる。しかし、今回の話は行方不明になったAがどうなったのか?という不明な部分も怖い点だが、語り手の目の前でBの身に突然おかしなこと(転んだだけなのに骨が見えてしまうほどのケガをした)が起こったというところが非常にゾッとした部分であると感じた。また、場所が病院であるからこそBが電話越しに「こっちには医者がいる」と言いだす場面も前述した内容と同様、あるいはそれ以上に恐怖を感じた点である。総じてあとから不気味さがくるというよりモンスターパニックものを読んでいるような怖さがあった。

冒頭部分から廃病院の地下へ降りていくあたりまでは、Cさん1人がいないという状況が今後どう転ぶか想像ができず、先の見えない恐怖感があって話を楽しんだ。でもそこからAさん、Bさん、投稿者へ降りかかったホラー現象は、廃病院という舞台ならこれだろうという定番の現象ばかりで、慣れによって話の恐怖がなくなったのが残念である。逆に誰も想像しないような現象がここにあれば、話はより良くなったと思われる。最後の携帯電話のオチは、読者の身にその現象が起こることを簡単に想像させることができ、私もそれを想像してしまい恐怖を感じた。定番過ぎる部分もあったが、起承転結がしっかりとした楽しめる怖い話である。

病院の地下の描写やBが怪我をした時の様子がリアルで、その時の様子が容易に想像できました。暗闇の中にいた「何か」も非常に不気味で想像しただけでゾッとしますね。なぜBがひたすら投稿者のことを聞いたのか?そしてなぜ「こっちには医者がいて手術をしている」ということを言ったのか謎が残ります。彼は病院の地下で何をみたのでしょうか?そして行方不明になったAがその後どうなったのか?は謎が残ります。回収できていない伏線がとても気になるストーリーでした。

タイトルから廃病院で起こった心霊体験ということが予想できて、なんとなく先が読めるなぁと思いながらも読み進めた。怖いと言えば怖いが、少しありきたりな感じがして途中から飽き始めてしまった。Cにかかってきた電話がBだったと分かったときには、既にBは殺されたなぁと予想も出来たし、電話の内容もCと投稿者をもう一度廃病院に来るように言っているんだろうなぁというのも、その後のCの怒り具合で勘づいた。もう少し物語に捻りが欲しいと思った。

率直な感想はシンプルに怖い話だと思いました。廃病院への肝試しという展開はよくある話ではありますが、「何か」という得体の知れない存在が怖さを引き立てています。太り過ぎの丸っぽい体型なのに無表情の子供の顔というアンバランスな描写も怖い姿を想像してしまいますし、「何か」の正体が何なのかとても気になります。Bの謎の電話の内容も廃病院という場所からすると医者がいるという言葉も繋がりますが、30件以上の不在着信という異常性が怖いです。夜1人で読むと怖くて寝れなくなりそうな話です。

もう廃病院というだけで怖い。序盤はそれほどでもないが中盤から怖さが増していく。AもBも狂っていく中、投稿者はなぜ正気を保てていたのか。正直、笑い出すAと血だらけのBを見ていたら自分もおかしくなってしまうと思う。しかし一番怖いのは廃病院から脱出した後だ。警察にはイタズラ電話扱いされるし、妙な声は聞こえるし絶望しかない。さらにBとの電話での「医者がいる」という言葉。ぞっとした。それ生きてる医者じゃない。怖くてもう電話なんて出られなくなる。

とてもリアルな話だ。体験ベースの怪談というものはどうしても作り話っぽく感じられるものが多く、そうしたものは大抵、安易に辻褄が合いすぎていることが多い。しかしこの話ではたびたび登場人物たちが辻褄の合わない行動をする。現場から2~3km離れたコンビニで警察に電話が通じないというのも、もし"設定"があるならば理論的には理解しがたい現象だし、Bの電話にCがからかわれているといきなり怒り出すのも"ストーリー"として見れば不可解だ。だが実はBは投稿者たちを何とか病院へ呼び戻そうとしていたのであり、その行動にも、その時Cが怒り出したのにも後で納得がいく。本当の辻褄とは、そうした分かりにくい遠い部分が実はつながっていたりするものである。Aが見捨てたBを投稿者が連れていくというのも、一見自分を良く見せようとする偽善的な行動に見えるが、結局最後には見捨てている。そうしたところもリアル。

物語の始めから、帰省という言葉により田舎が想像され、またその田舎の廃病院ということで、とても恐怖感に溢れていた。また、廃病院に行った時は、友人Cがいないまま廃病院に入ることで、友人Cはもう既に事件に巻き込まれたのかといったことを想像させたり、病院内では、「何か」という言葉で正体をハッキリさせないことで、より不安感をもった。廃病院脱出の場面では、ハラハラとさせる疾走感があり、とてものめり込んだ。さらに最後の場面で、友人Bの傷が噛んだものではないかと刑事が言ったことで、物語の最後の最後まで怖さを継続させてくれて、とても面白かった。あらすじだけでなく、文章全部を読みたいものだと感じた。

この話の怖いところは、投稿者達は何に襲われたのかが分からないという事である。投稿者達が見た「モノ」について、ところどころ言及されているが、断片的なモノでしかなく一体何だったのか。そこがまた不気味である。また、Bは何に呪われてしまったのか、どうやって怪我をしたのかも分かっていない。警察も分からないという事は、得体の知れないモノなのだ。幽霊やモンスター、様々な異界のモノはいるが、1番怖いのは「得体の知れない何か」である。その想像力を掻き立て、ふと思い出すと情景が浮かんでしまうこのお話も1つの呪いかもしれない。

怖い話ではあるけれど、読み進めていくうちに、嘘くさい話だなと思ってしまって、興ざめてしまいました。ただ、最後まで一気に読ませる筆力はあるので、読んで損はない怪談です。読んだ後に、深く心に残るタイプではないので、年齢が高い人はこの程度ではあまり恐怖は感じないでしょう。若い人、経験が少ない人はこの手の話は読むと怖いなと思うのではないでしょうか。映像になっていたら、少し違うかもしれません。思い出して怖いと震えあがる話ではないです。

2ch怖い話・廃病院の地下

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