おじゃま道草のあらすじ・感想まとめ – 2chの怖い話
「おじゃま道草」とは・あらすじ
「おじゃま道草」は、2ch発祥の怖い話。作中に「おじゃま道草」という言葉は出てこないので、あくまでも通称である。
あらすじ
ある日、投稿者のもとに友人が助けを求めてきた。引っ越したばかりの新居で奇妙な出来事が続いて困っているのだと言う。
投稿者は別の友人と共に、怪奇現象に悩まされている友人を助けるために彼の家に赴くが、彼らもまたその家の影響を受けてしまうことになる…。
起:猫が不可解な行動をとる一軒家
とある一軒家に引っ越したばかりの友人から、「何かがおかしい、とにかく来てくれ」と、投稿者に電話が来たことが事件の始まりである。友人は馬場君と言い、バンドマンでその家をバンドメンバーと練習所兼自宅として使っていたようだ。
別の友人である茅野君も合流し、車で馬場君の家に向かうことに。最寄り駅まで迎えに来ていた馬場君を拾い目的地に到着する。そこは目の前を高速道路が走り、三方を雑木林に囲まれた10戸ほどの分譲住宅のうちの1軒であった。分譲住宅なので他にも家はあったのだが、馬場君の家だけ妙に違和感がある。
・敷地内の雑草が全て外に向かって伸びている
・南西の角に3本の木があり、うち南寄りの1本は立ち枯れている
・他の家と比べると傷みが大きい
何か良くない雰囲気を感じながらも家の外観を写真に収め、そのまま中に入っていくと強烈な臭いがする。「猫でも飼っているのか?」と聞くと、飼ってはいないが家の周りに何匹かいるという。
改めてこの家のおかしいところを馬場君に尋ねると、
・1階で寝るとうなされる
・全員2階にいるのに1階で話し声が聞こえる
・1階から2階に上がる足音が聞こえるが誰もいない
・引っ越してきた当初、押し入れの中にケースに入ったゴルフクラブ一式があった
・みんな台所に行くのを嫌がる
というものであった。
更に、猫についての不可解な現象も。家に入ってきていた猫を外に出そうとしたのだが、捕まえても抵抗するし窓を開けても出ていかない。玄関に行ったと思ったら急に立ち止まり、何かに怯えるように2階の窓から逃げ出したという。
その話の間も感じる猫の気配。どうやらこの家には「生きていない猫」もいるようであった。とりあえずその日はお開きになり、2日後にまた馬場君の家を訪れることに。その間に家の前で撮った写真を現像すると、南西にあるブロック塀に「小さな赤い点」が写っていた。
承:夢の中に現れた少女
再び馬場君の家に行く日、茅野君に加えて投稿者の弟である大輔も同行することになった。ひとまず家に蔓延っている猫の霊を供養してみる投稿者たち。供養は上手くいったようで家から猫の気配はなくなったが、これが事件の核となる「本体」を刺激することになる…。
問題の台所に行って写真を撮ってみると、部屋の四方にある柱の上部に何かの紙を剥がした跡が見られる。ここで何かを封じていたが、その封印を破るほど強力なモノがいるらしく、先ほどの猫の霊のようにはいかないようだ。
台所から戻ると馬場君がうつ伏せになって眠っており、見守っていると「うん、うん…」とうなされ始める。しかもよく見ていると、馬場君の上の方に影のようなモノが乗っかっているようであった。
馬場君は目覚めると夢について語り始める。彼は夢の中で、30畳ほどの広さの古い屋敷で5歳ぐらいの少女に「遊んでほしい」とせがまれたそうだ。何度もお願いされ、差し出されたお手玉に手を伸ばそうとする。
その瞬間、座敷の奥から「遊んではイケマセン」と母親のような声が響く。その声に少女は怯え泣きそうになり、そうこうしているうちに母親が姿を現す。徐々に近づいてくる母親は綺麗な顔立ちをしているが、ふと目を離してもう一度見ると、顔が般若になっていた…。そこで目が覚めたのだという。
馬場君が話を終えた時に、丁度バンドメンバーたちも2階から降りてきた。そして、誰もいないはずの2階から子どもが走り回るような音が聞こえてきたという…。
転:一軒家を徘徊する怨霊
一度自宅に戻った投稿者は、今回の事件の背後関係を整理してみる。どうやら「本体」は千数百年前の怨霊のようで、因縁を背負った一族に憑りつき、あの土地にやってきて負の結界を張り、そこで自らも土地に縛られることになったという。
負の結界は他の死者をも取り込み、生者にも影響を及ぼす。過去にこの土地に住んでいた住人は気が触れて、土地の守り神である道祖伸を井戸に沈めて埋めたそうだ。投稿者が家の前で撮った写真で、ブロック塀に写っていた赤い点は、この道祖神の怒りによるものだろう。
神仏の怒りに触れて罰が下ったことで、この土地はより強力に呪われたのだそうだ。馬場君の夢に出てきた少女やその母親も「本体」による犠牲者で、猫は少女が可愛がっていたものだった。
投稿者は、自分たちには手に負えないモノなので逃げることが最善だと馬場君たちに伝えたが、引っ越したばかりでお金がなく、すぐには転居できないという。結局、馬場君たちが転居するまでには2ヵ月かかった。その間、この事件に関わった投稿者や茅野君も金縛りや霊障などの実害を被ることになった…。
結:存在しない道
馬場君の家から戻って1週間後、馬場君からの連絡で三度目、あの家に行くことになった投稿者。「引き寄せられている」ことを感じつつも、茅野君と2人で車に乗って向かうことに…。
あと数分で家に着くころ、通行止めの看板が現れる。看板に書いてあるコの字型の迂回路に従い、右折する投稿者。その後は信号で左折し、もう一度その先で左折すれば元の道に戻れるはずだったが…。
300メートルほど進むと舗装が途切れ、砂利道になった。不安を抱えつつも進むと、また舗装された道になったので安心し前方を見ると、白い車が止まっている。
何か嫌な感じがするので来た道を戻ろうとするが、Uターン出来るような道は白い車の先にしかない。仕方なく白い車に近づいていくと、ライトに照らされてその姿が明らかになる。
白い車はフロントガラスが割れ、車体には蔦が絡まった廃車であった。言い知れぬ恐怖感に襲われた投稿者たちは急いでバックで戻り、砂利道を超えた先の舗装路で何とかUターンをする。
来た道を戻っていると本当の迂回路が見つかり、そこを行くと1分もしないうちに元の道に戻り、馬場君の家に着いた。この不可解な道のことを馬場君とバンドメンバーに尋ねると、「廃車の先は藪で行き止まりになっており、道なんて無い」と言う。
この存在しない道の真相はわからないが、廃車の近くには見るからにお化け屋敷で霊気の強い廃屋もあるようで、もしあのまま進んでいたらどうなっていたかは…想像にお任せする。
カテゴリ――2chの怖い話
おじゃま道草を読んだ人の感想
数々の2chの怖い話を読んできたが、「おじゃま道草」は初めて読んだ。なんとも気味の悪い話だが、引っ越すお金がないとはいえ、どうして馬場君はその家に住み続けるのだろう?と不思議に思った。本当に怖かったら、誰かの家に転がり込むなどして、一刻も早くその場から立ち去ろうと思うはずなのに。 それにしても、霊感があるなしに関わらずそこにいるすべての人が感じ取れるくらいの現象なのだから、この話が真実だとしたら、よっぽど強いものの仕業なのだろう。今、馬場君たちは無事なのだろうか?ふと心配になってしまう。
住宅地にたまにある古い家を想像して、ぞわっとするような怖い話だと思いました。 一軒だけ異様な雰囲気の家、家の中で起こる現象、猫や子どもがリアリティがあり、想像を掻き立てる話だと思いました。 家に蔓延っていた猫はどうやって供養されたのか気になりました。 数千年まえの怨霊が何者だったのか、なぜ負の結界を張っていたのか、 分からないのであれば分からないと想像できる文章が入っていたら、 もっと怖い話になったと思いました。
初めそんなに怖くなかったが敷地内の雑草が全て外に向かって伸びている等詳しく分かる描写があると怖さが増してきます。生きていないネコの部分も怖かったですが事件の鍵になる本体の正体も気になっていきました。後の引き寄せられて運転させられている感じも怖さがあり白い車をもし越えたらどのような終わり方をしたかと余計怖くなりました。最後誰も死ぬ事がなかったので良かったですが呪いはまだ続いていそうな終わり方なのが最後まで怖かったです。
家や土地といった「場所」に執着している悪霊的存在は怖い話としてはよくありがちなものなので、慣れているせいもあるのかそこまで怖くはなかった。ただ結末の方で投稿者達が出会った車は一体何なのか、中には人が入っているのかということが気になった。何度もループして、道に迷ったのも悪霊が起こした超常現象なのだと思う。そして引っ越したあともあの家には次の入居者が来て、また誰かが犠牲になるのだと思うとゾッとする終わり方だと感じた。
まず良いところを挙げるとするならば「おじゃま・道草」のこの語感が絶妙であり、読んでみようかなという動機を読み手に抱かせるセンスは素晴らしいだろう。 ただし内容自体は1950年代のミステリーゾーンやウルトラQで見られる日常とは違う空間に迷いこんだというもので至ってオーソドックスなスタイルだ。 霊と猫を絡めるのも極めて普遍的、猫自体は日本では基本的に古来より益獣として扱われるケースが多く、使役するのは“欧米の魔女”なはずなのだ。 そのあたりは土地神、怨霊と絡めるにはややマニアには不自然さが残ってしまうことは否めないだろう。 ネズミやカラスを使った方が話の整合性はあったはずだ。 ただ短編以下の読み物としては面白い出来だとは感じた。 この当時2ちゃんねるで流行したブーン系小説のホラーものほどの完成度はないが、このくらいの長さなら許容範囲だろう。
千数百年前の怨霊が原因で負の結界が張られ、そこの土地に住む人に影響が出るというのは想像しやすくて怖いと思った。詳細な場所は書かなくても良いが、どこの県やどこの市といったものを付けたほうがよりイメージしやすく、怖くなると感じた。登場人物が少し多い気がした。投稿者の弟の大輔は別にいらなくていいんじゃないかと思う。馬場の住んでる屋敷は1階に何かあるんじゃないかと思った。後半の存在しない道や屋敷が出てくるところは正直蛇足だと思う。馬場の住んでいる屋敷で起こる怪異のことを詳しく知りたいと感じた。
決定的に何か悪いことが起こるわけでなく、奇妙で不可解な出来事と悪い予感が常にうずまく不思議な世界観の物語だ。 家の雑草が全て外に向かってのびているという描写は妙にリアルで読んでいてゾクゾク恐怖感をそそってくる。 少女と猫というキャラクター設定や車をUターンさせる流れはよくあるものだが、読んでいて飽きを感じないのは、こういった背景描写にリアリティがあるからだと考えられる。 引っ越し当初からあったというゴルフクラブにどのような意味があるのかが気になった。
「おじゃま道草」を読んだ感想は、いったい何が言いたいのか分からないというものです。たんなる家に着いた怨霊の話しであるのなら最後の白い車どうこうの話しを入れる必要はないと思いました。道祖神なども出て来ましたが、道祖神は元々は災いが入って来るのを防いだり、子孫繁栄等を祈ったりするためのその村の神様なので、埋めたからといって怒りをかうということはないのではと思いました。それと他のバンドメンバーがいるのになんで、その人たちの話しは出てこないのかが不思議です。
事故物件などの情報もインターネットで調べれば直ぐに分かる時代なので、こう言ったリアリティーのある話はとても興味深いですし、素直に寒気がするなと思いました。 身近な動物でありペットとしてもお馴染みの猫が出てきて、奇妙な動きなども実際に起きてもおかしくないと思いましたし、車に乗りながら不思議な現象に陥るというのも怖かったです。
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