謎の組織にまつわる深い闇-「地下の井戸」あらすじ・感想まとめ – 2chの怖い話
「地下の井戸」のあらすじ
某組織にて、アンダーグラウンドな仕事を担当していた投稿者。とは言っても、都内の高級クラブなどにワンボックスで花を届け、集金して回る程度である。
真面目に仕事をこなすうちに信用され、徐々に任される仕事内容も変化していく。そのうち、組織の「ヤバい仕事」にも巻き込まれることに。
その最たるが、タイトルにもなっている「地下の井戸」での出来事だったのだ。投稿者が地下の井戸で見た惨劇とは…。
起:組織のヤバい仕事
東京の某組織の若手幹部に使われていた投稿者。日々の仕事はワンボックスカーで花屋に花を取りに行って、それを高級クラブなどに届け、集金することだった。
若い割に真面目な仕事ぶりが評価され、いつしかそれ以外の仕事も任せられるようになった。具体的には花の配達で使用するワンボックスで深夜に「何か」を運ぶことである。積んでいるのは何だか分からないが、おそらくダンボールやドラム缶ではないかと投稿者は推測する。
「ひとりで」ベンツの後ろに付いていって、荷物を降ろしたら終了。それだけで花屋の仕事の1カ月分のバイト代をもらえたという。
それがある夜、呼び出されて行ってみたところ、いつもとメンバーが異なることに気付く。若手幹部の他に2人。3人とも異様に緊張してイライラしているようである。
投稿者が運転することになったが、積荷がいつもより重そうであること、さらにいつもは「ひとりで」行くのに、幹部以外の2人が同乗したことにも疑問を覚える。しかも、いつもはカメラやNシステムがあるがために首都高を避けているが、そこに入るよう指示されたのである。
環状線を2周ほどして車が途切れた所で、若手幹部が運転するベンツがハザードを出した。車を停めると、同乗の2人が荷物を運び出す。投稿者も降りるよう指示される。2人が担いでいるのは黒いビニール袋。それが死体袋のように見えた投稿者は、中に入っているのは「人間だ」と確信する。
鍵を使用して金網の扉を開けると、現れたのは鉄柵のような扉。さらに鍵で柵を開けると、すぐに鉄扉があった。そこには「無断立入禁止 防●施●庁」の記載…。投稿者は「道路公団なのになぜ?」と疑問に思いながら、その鍵を開けて3人は扉の中に入っていった。
承:●国●軍第13號坑道
鉄扉を開けるとすぐ階段になっていて、それを降りると幅10メートルほどの通路が左右に伸びていて、3人は左手に進む。通路はひたすらまっすぐで左右の壁に鉄の扉がついている。3人は時々休憩を取りながら通路を進む。
そこでひとりがひとつの扉の前で立ち止まる。そこには「●国●軍第13號坑道」と書いてあったという。よっぽど古いトンネルであることに投稿者は気付く。
扉を開けて休憩し、そろそろ行くか、という時だ。突然、袋が暴れだす。はずみで中から猿轡(さるぐつわ)を噛まされた小太りの男の顔が飛び出した。
男は縛られているらしいが、それでも暴れは止まらない。投稿者以外の2人が殴る蹴るの暴行を繰り返し、やっと男の動きが止まった。この時、投稿者と男の目が合ったと言う。そして2人が言い放ったのが、「殺しちゃまずいからな」という不可解な言葉である。
袋の中身を知ってしまった投稿者も運搬に加わり、幅3メートルほどの狭い●国●軍第13号坑道を延々と歩く3人。
転:●国●軍第126號井戸
●国●軍第13號坑道にはいくつか下に降りる階段があり、ある階段を下るとさらに扉が出現した。その扉には「●国●軍第126号井戸」の文字が…。
扉の中は割と広い空間になっていて、その中央には確かに井戸が存在した。鎖付きの重そうな蓋がついていたが、その鎖が天井の滑車につながっていて、それを巻き取ることで蓋が開く仕掛けとなっていた。
袋(男)を井戸の中に入れるも、聞こえてきたのはパシャっという音だけ。水はほとんどないようである。
投稿者は命令されて井戸の中にマグライトで光をあてて覗いてみると、真っ白い手と、髪のない真っ白な頭が見えた…。袋の男には髪の毛があったはず、と不思議に思う投稿者。すると、別の頭が現れ、上を向いた。ソレには目がなく、顔には小さな穴がついているだけだった。
そのほかにも何かが蠢いている気配がする。2人だけではなさそうだ。つまり、ざっと数人は井戸の中で「生きて」いることになる…。
そこで扉が開き、若手幹部が現れた。蓋を閉めるよう命じられ、4人は来た道を戻って地上に出た。
結:袋の中の男
投稿者は、一緒に地下道に行った男から「余計な事を考えるんじゃねえ。忘れろ」と言われたが、気になって仕方がない。なぜ殺してはいけないのか。なぜ生きたまま袋の男を井戸に落としたのか。あの化け物たちは一体…。考えても謎は解けない。3人を見たのもそれが最後になったので、結局なにも聞けずにいた。
思い出せるのは、袋の中の男の正体くらいである。袋の中に入っていたのは、会長の三男であった。出来の悪い男という噂で、仕事で下手を踏んで服役していたが、最近出所したらしい。会長の子息ということを盾に威張り散らす嫌な奴だったが、殺すのはアウトだろう。投稿者はそんなことを考えていた。
その2週間後、若手幹部は姿を消した。会長の三男の件がバレたのだ。逃げろと指示された投稿者は組織を離れ、なんとか逃げ延びた。若手幹部とほかの2人がどうなったのかは分からない。
投稿者は組織に見つからないよう、人の多い土地を転々としているという。今も転々としているのか、追っ手に捕まったのかどうかは闇の中である…。もしかしたら、あなたがインターネットカフェなどで投稿者と隣り合わせになっている可能性だってあるのだ。
そして「地下の井戸」は本当に実在するのか? なぜ組織が鍵を所有しているのか? これに関しては永遠と謎が解かれることはないかもしれない…。
カテゴリ――2chの怖い話
地下の井戸を読んだ人の感想
こういった表に出ていないような謎の通路や隠し井戸といった話は大好物で、呼んでいてゾクゾクしつつワクワク感も覚えたのも事実である。 しかし井戸が存在する意味、そして中にいた謎の怪物が何なのか非常に気になる。 おそらく闇の組織によって抹消されるべき人物がその井戸で罰を受けているのだと思うのだが、想像が膨らむところだ。 また、この事実を知ってしまった投稿者のその後も気になるところだ。 そして井戸に落とされた人々が怪物の餌食になっているか等、そういった点も考えると背筋がゾッとしてくる。
なんとも展開の読めない話でした。最初に怪談ではないと書いてあったけど、最終的に怪談話だったので不意をつかれてとても怖くなった。 リアルな描写に袋のなかに入れられたときの表情を想像してみる。そんな場面に出くわしたことがないから、想像すらあやしいものだけど、その表情が忘れられないなんて本当に辛い。そこで心がいたんで読むのをやめようかと思ったほど。今この投稿主は逃げ延びていられるのだろうか。井戸の場所はどうなったのだろうか。
首都高速を普段走っている時から、この辺りに何か仕掛けがあってもわからないだろうな、と思っていましたが、まさにそれを具体的にストーリーにしていたので非常に生々しく感じました。 ●国●軍坑道なんてワードがちらほら出てきましたが、本当にそういう場所があっても不思議ではないですよね。 井戸の底で蠢いていたものはなんだったのか?そしてなぜ殺してはいけないのか最後まで謎が残りますが、その辺りがまたリアリティがあり恐怖心を上手に煽っていると思いました。 非常に気になりますが…。
井戸に潜んでいた化け物が霊的なものなのか、それとも未確認生物的なものなのか想像をかきたてるところが良かった。さらに普通の怖い話と違って、化け物が1体だけ出てくるのではなくて何体も井戸の中にいるということでさらにおぞましさが増しているように感じた。もしかしたらあの組織では昔から仕事でヘマをした人や嫌われている人などを化け物に食べさせているのではないかと予想できるが、投稿者も逃げられていなかったらあの化け物にやられていたのだろうと思った。
タイトルの『地下の井戸』を見たとき、日本のホラー話で良く見る類だろうと思ったが、裏社会の話が冒頭に現れ驚いた。この怖い話は、裏社会での人間模様の怖さなのかとハラハラしながら読んでいたが、きちんと仄暗い気持ち悪さの残るホラーだった。 初めから人を運んでいると分かる描写が続き、やはり人だった所は誰もが予想範囲内だったのではないだろうか。 私も死体遺棄の話で井戸に落として証拠を隠滅するだけの話だろう、そう高を括っていた。 だが、ただの死体遺棄の話ではなかった。 この話は、井戸の中に得体の知れない化け物が存在するという、恐怖を残して話が終わる。 一般的な怖い話のように、謎が解明されるわけではない。それがリアルで、頭で想像した化け物がこびり付いて離れない。 背後に誰もいないのにPC画面から目を離し、後ろを振り返ってしまう程だ。 この話のせいで暫くは、ひとりで暗闇の中を歩けそうにない。
幽霊やお化けの類いの怖い話じゃなくて拍子抜けしたのと、地下の井戸に生きたまま捨てられている人間たちは何だったのか?が分からなくて微妙な物語。釈然としない終わり方だし。もうちょっと話を膨らませられなかったのかな?と思った。これでは怖い話というよりも、単なるアンダーグラウンドの話というだけだ。井戸の中にいた顔に穴が開いている人間の描写も想像しにくく、怖くもない…。もっとゾゾーッとする話が読みたかった!
怖い話で幽霊が出てくるというタイプのものではなく、裏社会の人たちが怖いというような話で意外とこういうタイプの話の方が私は好きです。ちょっとした戦争の時の遺産というような形をちらほらと見せたりというところもなかなか面白いとこであり、分からない存在が怖いというのではなく、現実にありそうな話で怖いというような部分を楽しめる人であれば、この話はとても心に闇を落としてくれることでしょう。恐怖というよりはリアルに怖い話し、という感じでした。
「地下の井戸」を読んだ感想として、生きたままの人間を井戸に落とす残酷さと、投稿者がマグライトで光をあてて井戸の中を覗いた時に黒いビニール袋の中に入れられていた男とは違う人が井戸の中にいて、さらに目がなく顔に小さな穴が開いている別の化け物が上を向いて見ている映像が目に浮かびゾッとした。また、ざっと数人が井戸の中で生きているという謎の光景が怖すぎてたまらなかった。地下の井戸の真相が明らかにされないままのため、目を閉じると井戸の中の光景が脳裏に浮かび離れないほどの恐怖を感じさせる作品であった。
これは純粋に怖い話だ。一般的に井戸の中というのは謎めいていて怖いイメージがあり、井戸の中に得体の知れないものが…という話はよくある。しかしこの話はアンダーグラウンドの世界と井戸という少し似つかわしくない組み合わせで語られており、この話に出てくる井戸の怖さを引き立てている。軍隊が関係しているのかという謎めいている部分も怖いが、怖さの一番の要因は生きた人間が井戸に放り込まれるところだ。なぜ生きた人間でないといけないのか、井戸に巣食う何かが生きた人間を求めている…それを想像させる怖さがこの話にはある。
似たような内容の漫画を読んだことがあったような気がするが、何か人間界の闇を見た気がする。井戸の中の得体の知れない化け物の存在にもゾッとするのだが、それ以上に人間の怖さを感じた。わけの分からぬまま袋に入れた人間を運ばせ井戸の中に落とすとか。正直世の中で一番恐ろしいのは、人間そのものと自分の想像を越える得体の知れない事ではなかろうか。きっと若手幹部はとっくに井戸の中である。投稿者が組織に見つかった日には容赦なく井戸にポチャンだ。組織にもし捕まってしまったら...という投稿者の気持ちは井戸の存在よりも一番の恐怖であろう。
一番印象に残ったのは、黒いビニール袋に包んでいたのが死体ではなく、生きている人間だったことである。 地下の井戸に捨てるのなら、死体の方が楽なはずである。 しかし、わざと生かした状態で地下の井戸に投げ捨てている。「殺しちゃまずいからな」という言葉からも生かした状態でないといけない何かがある。 地下の井戸にいる得体のしれない生物と組織の人間との間に何かがあるのか、それともただの組織の2人の個人的な考えなのか、全体的に不気味な雰囲気が続く作品である。
組織の仕事、秘密の怪しげな井戸、人の入った袋……というなかなか興味をそそられるものが次々に出てくるのだが、肝心の井戸の化け物の描写があいまいなので、映像を頭に思い描きにくく、怖がり切れなかったのが残念である。 また、井戸が結局どういったものであったのかが完全に謎のままなのも惜しいところだ。せめて投稿者の推測や、それまでに似た仕事をしていた人から聞いた情報等があれば、読み手側で補完も出来たところなのだが。 「転」が甘いせいで、余韻を残すはずの「結」がただ宙に浮いてしまった状態になったことが悔やまれる。
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