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百物語とは – 起源や怪談会のやり方を紹介

百物語

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百物語とは

『百物語』は、100本の蝋燭を囲んで怪談を語り合い、1つ話し終えるごとに蝋燭を消していく怪談会です。最後の1本の明かりを消すと怪異が現れると言われています。

『百物語』は、古来より民衆に親しまれてきた怪談の遊びです。現代でも怪談を話す定番の手法として愛されています。

今回はそんな『百物語』の起源や実際のやり方、『百物語』を行う際の注意事項などをご紹介していきます。

『百物語』は呪術的な要素も含む方法なので、もし実践する場合はくれぐれも自己責任で注意して行ってくださいね。

百物語の起源

『百物語』の起源ははっきりと分かっていませんが、将軍や大名などの話し相手を務めた御伽衆の語りや、武家が行った肝試しが始まりのルーツではないかと言われています。

集まりあって怪談を語り合う『百物語』は、江戸時代の頃に流行を迎え、武士や庶民を問わず大いに人気を集めていました。

文献として『百物語』が登場したのは、1659年に発行された仮名草紙である『百物語』が最初で、本書では以下のように『百物語』が説明されています。

「いにしへ人の語り伝しは、何にても百物語をすれば、かならずこわき物あらはれ出る」
(昔の人々の言い伝えでは、何でも百物語をすれば、必ず怖い物が出現する)

出典:江戸時代の怪談研究-百物語怪談集を中心に-

怪談会は昔より行われてきましたが、この『百物語』を以って、現在の『百物語』の様式へと確立されていったと考えられています。

本格的な百物語のやり方

それでは実際に『百物語』を行う際のやり方を見ていきましょう。『百物語』には本格的な方法と、現代でも気軽に行える簡易的なやり方があるので、それぞれご紹介していきます。

準備するもの

  • 青い紙を貼った行灯を100個
  • 文机
  • 青い着物(参加人数分)
  • 3部屋以上の部屋数がある家

百物語を始める前の下準備

  • 百物語を行うのは新月の夜。参加者は3人以上99人までで、全員青い着物を着ておく
  • 3部屋の中で一番奥の部屋に火を灯した行灯と文机を置き、文机の上に鏡を乗せておく
  • 部屋の明かりは全て消しておく

百物語の手順

  • (1)一番手前の部屋に参加者全員が集まり、怪談を話し始める
  • (2)怪談を話し終えた人は明かりをつけないまま一番奥の部屋まで行く。部屋に着いたら行灯の火を消し、鏡で自分の顔を見てから元の部屋へと戻る(鏡を見るのは度胸試しと、何かが憑いていないかの確認のため)。この際、他の参加者は次の話をし始めていても問題ない
  • (3)怪談を話すのは「99話目」まで。100話目は話さない。99話目を話し終えたら朝を待つ
  • (4)日が昇ったら『百物語』はお開きとなる

簡易的な百物語のやり方

準備するもの

  • 蝋燭10本(ない場合、危ない場合は懐中電灯でも可)

簡易的な百物語を始める前の下準備

  • 部屋の中に蝋燭を立てて火を灯し、部屋の明かりを消しておく

簡易的な百物語の手順

  • (1)参加者が部屋に集まり、怪談を話していく
  • (2)怪談を話し終えた人から、蝋燭の火を1本ずつ消していく
  • (3)怪談を9話目まで話し終えたら、10話目は話さずに朝を待つ
  • (4)日が昇ったら『百物語』はお開きとする。

百物語を行うときの注意点

『百物語』は怪異を呼び寄せてしまう可能性があるものであり、決して遊び半分で行わないようにして、定められた手順を守るようにしましょう。

  • 蝋燭(行灯)を1本消さずに置いておく
    明かりをすべて消すと怪異が姿を現すとされるため、必ず明かりの点いた蝋燭(行灯)を1本残しておく
  • 光が入らない部屋で行う
    『百物語』は暗闇で行うものなので、行っている最中に蝋燭や行灯以外の光が入らないようにする
  • 風が入らない部屋で行うこと(空調にも注意)
    最後に残った明かりや、まだ語り終えていない分の明かりが消えてしまうのを防ぐ。消すつもりがないのに明かりが消えると、進行に影響が出るので気をつけること。もしもの時のために、エアコンや窓の開閉には気を配っておくとよい(特に蝋燭などで火を扱うので、現実的にも火事になったりしないように気を付ける)
  • 怪談話は参加者が順番にしていく
    1人が続けて話してはいけない。参加者が順番に話すのがルール。朝までに話し終えられるように1人の持ち時間を決めておくとよい
  • 話し始めたら必ず最後までやり切り、途中で止めたりしない
    一度始めたら最後まで必ず完遂するようにし、参加者の途中抜けなどもないようにする(『百物語』や『こっくりさん』を始めとする呪術や怪異を扱うものは、途中で止めるのが最も危険なため)
  • 朝までには必ず話し終える
    夜が明けるまでに用意した怪談を終わらせられないと、『百物語』は失敗となる。朝までに余裕を持って終わらせられるように、開始時間や参加人数を調整すること。

参考:百物語の正しいやり方

黄泉つなぎ百物語

複数人で集まりあって怪談を語り合う昔ながらの 『百物語』もいいですが、ネットの発達した現在ではWeb上で様々な怪談話を読むことが出来ます。

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他にも怪談連載や2chの怖い話などもまとめてあるので、怖いもの好きな人は一度覗いてみてはいかがでしょうか。

黄泉つなぎ百物語〈竹書房怪談文庫〉 – note
黄泉つなぎ百物語 – 怪談News

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