7/15発売!第2回最恐小説大賞〈長編部門〉受賞作『森が呼ぶ』(宇津木健太郎/著)内容紹介
エブリスタ×竹書房が募る恐怖の頂点!
第2回最恐小説大賞<長編部門>受賞作『森が呼ぶ』が発売。
私たち死ぬの
生ま×れるの
少女御供を捧げる邪宗の村。ヒトの肉と思考を蝕む猟奇ホラー!
あらすじ
出版社の小説大賞に送られてきた一篇の小説原稿。
それは失踪した昆虫学専攻の大学院生から著者の元に送られてきた〝奇怪な手記〟だった――。
森奉教という土着の宗教が根づく山村、犬啼村。
村の神事を司る狗神家の次女・阿字蓮華は、死んだ姉に代わり急遽村に戻って家督を継ぐ。
大学院での研究も半ばに窮屈な村に囚われて生きることになった親友の身を案じ、手記の綴り手である「私」はお盆休みの間、フィールドワークを兼ね犬啼村を訪れる。
おりしも村は二十年に一度の大祭前夜。
祭りの取材にきていた大学准教授・鵜飼とともに奉森教の歴史を調べるうち、「私」は村に隠された恐ろしい秘密を知ってしまう……。
第二回最恐小説大賞受賞、原始の恐怖に震撼するファウンドフッテージホラー!
◆登場人物紹介
阿字蓮華
犬啼村出身。村独自の宗教である奉森教の祭祀を司る狗神の家の次女。村を出て東京の大学で学んでいたが、姉の急死により家督を継ぐため、村に戻る。
「私」
著者・宇津木に日記と記録帳を送ってきた人物。農学、昆虫学を専攻する大学院生。大学を辞め帰郷した親友の阿字を案じ、犬啼村を訪ねる。
鵜飼さん
大学で民俗学を教える准教授。奉森教に興味を持ち、犬啼村へやってくる。村唯一の民宿・たゆら屋で「私」と出会い、互いの専門知識と情報を交換し合う。
◆奉森教とは?
犬啼村土着の宗教で、徐々に形骸化してきているとはいえ、高齢者からの信仰は篤い。信仰対象は、狼。だがニホンオオカミの絶滅と共に信仰の対象は犬へと変わり、故に「大神」から「狗神」へと信仰対象の呼称は推移した。祭祀を取り仕切る阿字家の当主は代々女性であり、信仰の象徴として当主は生き神=狗神として村人に崇められている。
経典である「奉森記」によると、その歴史は、室町時代に遡る。度重なる戦乱に餓鬼、亡者、悪霊、魑魅魍魎が浮世に溢れ出し、犬啼村にも鬼達の手が伸びようとしていたが、山の神が狼を遣いに出し、これを守護した。狼は村を守り、安土桃山時代までをも乗り切った伝えられる。
だが、やがて狼は欲を出し、見返りに自分への贄を望んだ。二十年に一度、その年村一番の美しい生娘二人を捧げよと。一人は顔を隠し、一人は素顔を晒すこと。これを厳守せよ。逆らえば村に悪鬼羅刹が流れ込み、全てが蹂躙されるであろうと……。
この生贄の儀式は江戸の中期まで行われ、やっと噂を聞きつけた山伏がこれを調伏せしめたという。狼は神の怒りをかい、罪滅ぼしとして見返りを求めない村の守護神として未来永劫、村の守護を務めることを約束した。
現在も行われている20年に一度の村の大祭は、この生贄の儀式の名残であるという。
奉森教では、虫を忌避する。これは 犬啼村を襲った妖怪変化や亡者、魑魅魍魎の根源に虫が居たことによる。生き物は皆土に還り、全ての肉は虫に食われ、その役目を終える。だが奉森記によれば、肉を食い散らかした虫が死体を怨霊や亡者に変え、人に仇を成すとされているのである。山の神に遣わされた狼は、村に住まう虫をすべて食い殺して、これを沈めたという。
そのため、各戸では常に虫よけの香が焚かれている。
また、山に入る時は顔を隠す面をつけることが義務付けられている。
◆冒頭を特別公開
発売を記念して、冒頭をnoteにて公開いたします。ぜひご覧ください。
商品情報
- 著者名:宇津木健太郎
- 発売日:2021/7/15※発売日は地域によって前後する場合があります。
- 定価:本体1500円+税
- ISBNコード: 9784801927377
- シリーズ:最恐小説大賞受賞作
著者紹介
宇津木健太郎(うつぎ・けんたろう)
埼玉県越谷市出身。本に囲まれた家に育ち、気付いたら小説を書き始めていた。各賞への小説の応募や投稿を当たり魔的に繰り返し、ようやくエブリスタ×竹書房「第二回最恐小説大賞」長編部門にて本作『森が呼ぶ』が大賞受賞。プロフィール欄で遊ぶことを目標の一つにしていたので遂に夢が叶ったと歓喜するも、何を書こうか迷っているうちに一時間が経過している。カフェイン中毒。
最恐小説大賞シリーズ・好評既刊
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