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【新連載】怪談記者・高田公太のデイリーホラー通信【#1】

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新聞記者として日夜ニュースを追いながら怪異を追究する怪談作家・高田公太が、徒然なるままに怪談・怪異や日々の雑感を書き殴るオカルト風味オールラウンド雑記帳。だいたい10日前の世相を切ります。毎週月曜日と木曜日に更新予定!

2021年1月1日(金)

 年が明けた。そして私は日記を書き始めた。新年というのは良いもので、また365日を生きた証となる。

 区切りがなかったら、漫然と人生を歩くことになるので、何ともぼんやりしそうだ。

 大晦日は朝から物書き仕事をしていた。思いのほか集中力が続き、このままでは怪談を書いている内に年を越すのではと思ったが、ちゃんと途中で仕事に飽きたので良かった。

 元旦らしいことをしようと思ったが、初詣をするには雪が深く、腰痛が酷かった。職業病なのかもしれないが、あまり神様のところへ行くと、怖い話が寄ってこなくなるのではないかという思いが昔からある。

 今年もよろしくお願いします。

 #新年 #2021 #怪談作家 #高田公太

2021年1月2日(土)

 世の中は相変わらずコロナ禍一色である。私は青森県弘前市に住んでいるのだが、ここは昔から三密になりにくい、人口18万人にも満たない田舎なので生活が急激に変化したり、すごい緊張感のある密空間がなかなか現れない。

 さっき近所のコンビニへたばこを買いに行ったおりも誰ともすれ違うことなく10分ちょっとの道のりを終え、レジで初めて家族以外の人にあった。

 Twitterを見ると、ああ都会は大変だなと感じるのだが、品川に住む姉いわく「最近は割と普通に人が歩いている」とのこと。青森住みで、県外に出ることがない私には現状のリアルがピンと来ないまま昨年を過ごした。

 年末は「ガキの使い」の笑ってはいけない特番を観た。アンジャッシュの渡部建さんがいつ出るのかと楽しみにしていたが、結局は出なかった。

 人気芸能人はたくさんお金を貰っているわけだが、この「たくさんのお金」の中には「お金あげるからインモラルなことをして、クライアントのイメージ下げないでね? クリーンなイメージを守ってもらう約束代だからね」の意味が、現代には強くあると思う。

 なので、人気芸能人側も「いや、私はそこいらでセックスしたいので、そんなにお金積まれても困ります」と交渉すればいいのではないだろうか? はじめのうちは「じゃあ結構です」と案件が消えるだろうが、全芸能人が自分の自由を守るためにコツコツと交渉しつづければ、いつか「芸能人とはそういうもの」と世間から認知され、何をしても誰からもバッシングされない世の中がくるのではないだろうか。私にとってはすごくどうでもいいことなのだが。

 2月発売の竹書房刊「青森怪談 弘前乃怪」を絶賛編著中。青森県弘前市を中心に津軽地方の怪談がたくさん読める一冊です。泣けるのもあり!

#ガキの使い #笑ってはいけない #渡部建さん #怪談 #芸能人 #コロナ #新型コロナウイルス #青森怪談弘前乃怪

2021年1月3日(日)

 午前中、娘と雪遊びをする。午後は一家全員が端末を握って静かに過ごした。

 相談があって怪談作家の黒木あるじさんに電話。あるじさんと電話すると2分の1くらいの確率で、電波に異常がある。

 一度はあるじさんの方から電話がかかってきて、「電話した? ごめんなさい出れなくて。え? してない? ああ。よくある。うん。これは怪談じゃなくて、携帯がおかしいだけですから」という流れになった。私はあるじさんには何かあると睨んでいる。

 怪談・オカルト関係の人たちと交流しているとたまに良い意味で「おや?」と感じることがあるのだが、あるじさんはその中でもガチもの感がある。そりゃあ人気が出るはずだ。

 イギリスのポストパンクバンドWIREのアルバムをファーストから順番に聴く。ガイドブックなどであまり大きくピックアップされない90年代に入ってからの音が「あ、俺たちってインダストリアルなんだな」と気が付いて寄せている感じがあって面白く聴けた。

 BOSEのノイズキャンセリングイヤホンを買ってから、リスニング体験が更新され、聴き慣れた音源をもう一度聴きなおすことが多くなった。

#雪 #青森 #黒木あるじ #WIRE #BOSE #積雪

2021年1月4日(月)

 妻が「呪術廻戦」を観ようかどうか悩んでいる。「鬼滅の刃」は映画も含めて家族で観た。鬼、呪術と世のヒットコンテンツにオカルトが入ってきているのは、私が身を置く(?)実話怪談界的にもじわっと追い風となっているはずだ。ちなみに私は2話くらい観たのだが、Netflixのオモシロ海外ドラマが次々と時間を圧迫してくるので、以降を追えていない。いつか観よう。 

 実は……というほどでもない(Twitterなどで公言している)のだが、昨年9月上旬から「うつ」を患い、会社を休み休みにしていた。心療内科から薬をもらったり、悶々としたり、時に躁状態になってがっつり仕事をしたりと大変であった。今も若干緊張感はあるが、大分楽になってきたので、年明けから会社にまともに出勤するようにしている。明日のことは分かりませんが……。

 いざ会社に復帰すると、今度はなんとなく時間があるように感じていた執筆依頼が思い切りケツを叩いてきて、一気に忙しくなった。命を燃やそうと思う。

#呪術廻戦 #鬼滅の刃 #Netflix #海外ドラマ

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書いた人

高田公太(たかだ・こうた)

青森県弘前市出身、在住。O型。実話怪談「恐怖箱」シリーズの執筆メンバーで、本業は新聞記者。主な著作に『恐怖箱 青森乃怪』『恐怖箱 怪談恐山』、『東北巡礼 怪の細道』(共著/高野真)、加藤一、神沼三平太、ねこや堂との共著で100話の怪を綴る「恐怖箱 百式」シリーズがある。 Twitterアカウント@kotatakada

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