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【連載日記】怪談記者・高田公太のデイリーホラー通信【#3】

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新聞記者として日夜ニュースを追いながら怪異を追究する怪談作家・高田公太が、徒然なるままに怪談・怪異や日々の雑感を書き殴るオカルト風味オールラウンド雑記帳。だいたい10日前の世相を切ります。毎週月曜日と木曜日に更新予定!

2021年1月8日(金)

 「1都3県」という言葉は韻律が良いように感じる。「イットサンケン」とやたらと言うだけで、少しストレスが解消するかもしれない。イットサンケン。

 映画「銀魂 The Final」が今日から公開と聞き、妻に報告。妻はテレビに向かって「銀ちゃ~ん」と手を振ったりアニメの周回をして同じところでグスグス泣くほど銀魂のファンだ。私はメインの登場人物数人の名前と役回りが分かる程度なのだが、妻には「家族で観に行こう」と提案しておいた。

 若い頃は日本のアニメを正直馬鹿にしていて、「シンプソンズ」や「サウスパーク」などの海外アニメを好んで観ていたのだが、さまざまな有料動画サイトの会員になってから、遅れを取り戻さんと日本のアニメを観ている。昔は少し海外至上主義的なバイアスがあったのだが、そんなバイアスを取り外して眺望すると、何と日本のアニメの面白いことよ。昨年は誰かからオススメされた「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」と「宇宙よりも遠い場所」を素直に観て、素直に泣いた。

シンプソンズのキャラ

 サラリーマン、物書き共に鬼のように仕事。

 竹書房とオンライン打ち合わせ。

 1月から一回、うつ病を気にせずにやってみようと思っているのだが、あまりに忙しくそこそこは心が折れそうである。

 青森県全域が雪まみれ。私の行動範囲はまだまし。

 聴いた音:玉置浩二「Chocolate cosmos」、The Egyptian Lover「Rockin’Planets」、Shellac「The End of Radio」など。

#1都3県 #銀魂TheFinal #アニメ #愛妻家 #うつ病 #あの花

2021年1月9日(日)

 同じテーブルで娘は冬休みの宿題、私は執筆。娘が良いペースで宿題を進めているので安心。私の仕事に興味があるのか「パパ、今何してんの?」とたまに聞いてくるので、「今は人の原稿を直してる」「今は怖い話書いてる」などと答える。

 昨年はよく Twitter で「怪談の書き方を教えてください」という旨のDMがよく届いた。ものは試しと「オンライン怪談の教室開きます。参加料1000円、定員3名」とツイートしたら5分で定員が埋まった。怪談書きブームの始まりを感じている。

 怪談に限ったことではなく物書きのコツは「絶対に書いている自分に酔わないこと」です。あと読者の目線を持てない共感性皆無状態ではまず無理。とはいえ、物書きが上手に出来たからといってその人の人間性が優れているわけでは決してないので、仕事でもない限り下手でも気にしなくていいと思います。

 平山夢明さん原作の映画「Diner  ダイナー」をAmazonプライムビデオで観る。玉城ティナちゃんが相変わらず鬼可愛い。玉城ティナちゃんが可愛かったらその映画はそれで何の不満もない。

小説版ダイナーの書影

 用事があって怪談BARスリラーナイト匠平くんに電話。「うつ、大丈夫っすかぁ!」と心配してもらう。匠平くんは明るくてエネルギッシュ、それでいて大人なので頼もしい。

 聴いた音:遠藤賢司「嘆きのウクレレ」、XTC「GO 2」など。    

 #作家 #大雪 #怪談 #玉城ティナ #怪談BARスリラーナイト #匠平 #ダイナー

2022年1月10日(月)

 緊急事態宣言を受けてのライブ、演劇などの公演中止・延期が相次いでいる。人に見せる一芸の道で食べている人たちはまさかこんな事態になると思っていなかっただろうし、こうなると分かっていたら人を集めなくてもいいライフラインとなる仕事をしていただろう。今の期間を持って、自分の夢を見つめ直している若者たちがいるのかと思うと、ポストコロナの時代は一億総サラリーマンになるのではないだろうか。

 誰かと「オリンピック開催出来る出来ない」に関して会話をした気がするが、誰と話したかどんな内容だったかをまったく思い出せない。自分の一存で決められないことに関して、特に詳しい知識もなくフィーリングのみで話すとこういうことになる。我々おじさんの会話はほとんどそれだ。

 意見の正当性というのは立場に寄って変わる。それを知っているはずなのに、世論は曖昧模糊とした「道徳性」の観点からジャッジしようとすることが多い。道徳を重んじることは決して悪いことではないのだが、誰にとっての道徳か、そもそも道徳とは何かという所を最初に話し合っておかないので、ゴールの見えない議論が起きてしまう。だから黙ればいいとは思わないが、ちゃんと知ること、例え自分にとって都合が悪いデータでも受け止めることを大事にした方が建設的な解答を得られやすくなるはずである。

 しかし、無責任にゴシップを吹聴するのは楽しいので、止められない。

 雪を掃除機みたいなもので吸って片付けられないものかと五分くらい考えた。 

聴いた音:絵恋ちゃん「スープサーカス」、Nems「Gorilla Monsoon」、Osunlade「MOSS」など  

#緊急事態宣言 #コロナ #ポストコロナ #オリンピック #現代思想 #絵恋ちゃん

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書いた人

高田公太(たかだ・こうた)

青森県弘前市出身、在住。O型。実話怪談「恐怖箱」シリーズの執筆メンバーで、本業は新聞記者。主な著作に『恐怖箱 青森乃怪』『恐怖箱 怪談恐山』、『東北巡礼 怪の細道』(共著/高野真)、加藤一、神沼三平太、ねこや堂との共著で100話の怪を綴る「恐怖箱 百式」シリーズがある。Twitterアカウント @kotatakada

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