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【日々怪談】2021年7月25日の怖い話~タオルケット

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【今日は何の日?】7月25日:最高気温記念日

タオルケット

 岡崎さんが高校二年生だった頃の話。
 夏、足下の窓を半開きにして、タオルケットを掛けて寝ていた。
 夜中に足が急に冷えて目が覚めた。普段、冷え性などとは無縁である。だが、真夏だというのに驚くほど足が冷たい。
 目を閉じたまま足を擦りあわせていて、気が付いた。タオルケットの感触が足に感じられない。そうか、寝ている間に何処かに蹴っ飛ばしてしまったのか。
 確認しようと目を開くと、胸のすぐ下でタオルケットが垂直に立ち上がっている。それは三十センチほどの高さでかくんと水平に曲がって宙に浮いていた。自分の鳩尾から下が透明な箱に収まって、そこにタオルケットを掛けているような状態である。
 中に何かあったら怖い。箱がありそうな空間を、思わず両手で勢いよく叩いた。
 そのままタオルケットをぐるぐると身体に巻き取った途端、先程の足の冷たさは何だったのかというほどの蒸し暑さを感じた。我慢できずにタオルケットを剥ぐと、もう足は冷たくなかった。

――「タオルケット」神沼三平太『恐怖箱 百眼』より

#ヒビカイ # 最高気温記念日

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