【日々怪談】2021年6月2日の怖い話~路上の二人
【今日は何の日?】6月2日:路地の日
路上の二人
夜、ジュースでも買いに行こうと外へ出た。
横山さんの住む団地から駅前のコンビニまでの道は、人の往来が昼夜問わず少ない。
とある路地に行き着くと、前方から長髪の若い男性がこちらに向いて歩いてくるのが見えた。
男の青白い顔と荒い息遣いが次第に近付く。
かなり接近したところで、今度は男性の二十メートルほど後ろに、女がいることに気が付いた。
女の口から垂れた舌は地面まで伸び、先がアスファルトを舐めている。
「助けて……」
すれ違い様に男は小さな声を漏らした。
女のほうが、男よりも少し速い足取りに思える。
横山さんは女と目が合わないよう、顔を伏せた。
――「 路上の二人」高田公太『恐怖箱 百舌』より