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社会を恐怖に陥れた都市伝説「口裂け女」まとめ 各地に伝わる怖い噂4選 

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【口裂け女とは】

口裂け女(くちさけおんな)とは、1978年12月ごろから発生し、1979年の春ごろから夏ごろに日本中で大流行した都市伝説である。
当時は全国の小学生・中学生に大きな恐怖を与え、警察への通報、パトカーの出動や、生徒の集団下校まで行われ、マスコミも度々特集を組み当時は社会問題にまで発展した。
が、夏休みに入るとこの噂は急速に沈静化した。
また2004年には韓国でも流行し、中華圏でも有名になった。
今回の新型コロナ騒動でマスク姿が日常になったということから脚光をあびている。

【口裂け女のあらすじ】

噂の内容は、口元を完全に隠す大きなマスクをしたコートを着た女性が、夕方ごろ子供に 「私、綺麗?」と訊ねてくるというもの。
「きれいです」と答えると「……これでもきれい……?」と言いながらマスクを外す。
するとその口は耳元まで大きく裂けていた、という噂である。
もし「きれいじゃない」と答えるとその場で包丁や大きな鋏で斬り殺されるという続きもあった。

口裂け女の登場は先ずは夢の中に登場する。その次に電話がかかってくる。そして最後に目の前に実際に現れるというバージョンの噂もあった。
そして「好きな色は」などの質問を投げかけられそれに正解するとそれ以降は現れないというものもあった (正解の色はエメラルドグリーンなど諸説あった)。

【口裂け女の発祥】

1978年12月に岐阜県の八百津町で噂が発祥したとされている。その後翌月に地元の地方新聞で紹介され、ついで1979年の6月に『週刊朝日』で記事が紹介された。岐阜県本巣郡真正町で、農家のおばあさんが離れのトイレに行ったとき、庭の隅に口が耳まで裂けた女が立っているのを見て腰を抜かしたという内容であった。
それが子どもたちの間で広がり、学校で広まった噂は塾通いの子どもたちを通じて学区を越えて行き、全国にまたたく間に広がって行った。
噂が広まる過程で「赤いコートを着ている」「鎌を持って走って追いかけてくる」「100メートル6秒で走る」「ポマードの臭いが嫌い」「べっこうアメをあげると許してくれる」など尾ひれが付いて行った。

噂の発祥に関しては他にも
・岐阜県のとある母親が、帰りの遅い娘をおどかして早く帰らせるために「口裂け女」の話を創作したものが広まった。
・教育熱心な鬼ママが元。
・在日米軍(CIAという説も)が噂の広まるスピードを実証試験するために人為的に作った都市伝説である。
・当時の岐阜県は繊維産業の中心であったため全国から人が出稼ぎに来ていた。彼らが帰省するときに噂話も持ち帰り、全国にひろまった。

その正体に関しては様々な説がある。

手術が失敗した女性説

当時、交通事故で顔に大きな傷を負った女性が、苦労して貯金したお金で美濃加茂市内にあった病院で整形手術を受けたが失敗、その後再手術を繰り返し、中途半端な状態で女が失踪。その後池で投身自殺をしたという。
この女性の話が口裂け女になったというもの。

精神病の女性説

座敷牢に閉じ込められていた精神病患者の女性が夜ごとに外出し心霊スポットのトンネルなどを徘徊、口紅を顔の下半分に塗りたくりそれを見た人が驚いたというもの。

事故死した女性の亡霊説

バス転落事故現場の川から白骨化した頭蓋骨が発見され、その顔を復元したところ口が耳まで裂けており、口裂け女はその亡霊だという説。

【口裂け女の噂のルーツ】

江戸時代の怪談を集めた『怪談老の杖』には、キツネが化けた「口裂け女」が現れた、という話が出てくる。

大窪百人町(東京都新宿区百人町辺り)で、権助という男が雨の中を傘をさして歩いているとずぶ濡れの女に出会った。権助が傘に入るよう声をかけると、振り向いた女の顔は口が耳まで裂けていた。
権助は腰を抜かし、気がつけば老人のように歯が抜け言葉も話せなくなったうえ、そのまま息を引き取ったという。

また同じく江戸時代の『絵本小夜時雨』には以下のような記述もある。

吉原の遊郭に遊びに行った客が、廊下を歩いていた太夫を戯れに声をかけたところ、振り向いた太夫の顔が口が耳まで裂けていた。
客はそのまま気を失い、その遊郭へ行くことは二度となかったという。

岐阜県がなぜ発祥かという話には根拠らしいものがいくつかある。
ひとつは1754年の現在の岐阜県で起こった農民一揆の話。白鳥村(現在の郡上市)では犠牲者が多くその怨念が今なおさまよっているという説。
ふたつめは、明治時代中期に女性が夜の山道を歩く際、賊に襲われないよう、白装束を身にまとい、頭に五徳を載せ蝋燭を立て、そして口には三日月型に切った人参を咥えて行ったという説である。

【口裂け女の噂のバリエーション(1)】

身長に関しては諸説あり、1メートル60くらいから2メートルを超えていたという説まで。
真っ赤なコート、それは血を目立たせないため。また逆に血の目立つ真っ白い服を着ている、なども。
赤いつば広の帽子。赤いベレー帽、赤いハイヒールを履いているとも。
赤い傘をさしており、この傘で空を飛ぶ。(東京都江戸川区)
白いコートを着て、白いブーツを履いていると。(東京都王子)
薄汚い格好という噂。(東京都多摩川)
着物姿で、サングラスをかけている。(東京都八王子市・国分寺市)
片手にツゲの櫛を持っている。(岡山県岡山市)
手に持っている武器には鎌、大鎌、長い鋏、出刃包丁、鉈、斧、メスなど。また複数の刃物を持っている場合もあり、コートの下に隠し持っている場合もある。
目はキツネ、声はネコに似ているという。
赤いポルシェ(セリカとも)に乗っている説。
空を飛ぶ説もある。

【口裂け女の噂のバリエーション(2)】

現れ方に関してのバリエーション

最初は夢に出てきて「好きな色は?」と問いかけられる。次に子供が一人で家で留守番している時に電話がかかってきて「好きな色は?」と聞かれる。最後に学校帰りに直接現れて「私きれい?」と聞かれるというもの。色を聞かれた時点で「エメラルドグリーン」など正解を答えられるとその後は現れなくなる。
耳まで裂けた口で通行人を食べてしまう。
子供ををどこかへ連れ去ってしまう。
「ヨーグルト食べる?」と聞かれる。「食べない」と答えると、自分が口裂け女に食べられる。
道を歩いている肩を急に叩かれる。そのままうかつに振り向くと切りつけられる。右肩を叩かれたら左、左肩を叩かれたら右から振り向くと攻撃を避けることが出来る。

【口裂け女の噂のバリエーション(3)】

その他の噂

100メートルを6秒で走ることが出来る。
名古屋から高速道路を九州地方に南下して行っている。
最後には福岡で捕まり油山の山頂にある透明な檻に入れられた。(福岡県)
三宮など、地名に「三」のつく場所に多く現れる。
実は口裂け女は三姉妹で全員口が裂けている。
愛媛県・徳島県では口割れ女という。このバージョンは地元新聞社が口裂け女を誤って「口割れ女」と表記したためだと噂される。
犬が苦手という説。
にんにくが苦手という説もある。

【口裂け女の噂のバリエーション(4)】

出会った時の対処法

「ポマード」と3回続けて唱えると口裂け女が怯む。その隙に逃げれば良いというもの。この根拠は過去に整形手術を受けた時の医者がいつもポマードを付けていてその臭いが苦手だったからとされている。
また、ポマードを直接投げつけるのも有効とされている。他に手に「ポマード」と書いて見せるといいというものや足の裏にポマードと書く方法もある。
口裂け女はべっこう飴は大好物であり、これを与えると夢中でなめ続け、その隙に逃げられるというもの。

口裂け女が流行した1979年には、銀座のホステスの間で、口を手で覆って「私、きれい?」と客に聞くことが流行ったという。客は「べっこう飴」や「ポマード」と答えることになっていた。
「わたしきれい?」と聞かれたら「ふつう」と答える。(京都府)

口裂け女の噂が大流行していた1979年6月21日、姫路市の25歳の女がいたずらで口裂け女の格好をし、実際に包丁を持ってうろついたため銃刀法違反容疑で逮捕された事例もあった。
各マスコミもその噂に乗り、全国の子供をパニックに陥れた噂もその年の8月には急速に沈静化した。これは夏休みに入り、子供達の口コミが途絶えたためとされている。
その後口裂け女の噂は2004年ごろ韓国でも流行し映画のモチーフともなっていった。

カテゴリ――都市伝説

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