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【連載日記】怪談記者・高田公太のデイリーホラー通信【#7】ボーダーを観た/デザイン性と機能性に優れた高田公太/radikoの良さ

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新聞記者として日夜ニュースを追いながら怪異を追究する怪談作家・高田公太が、徒然なるままに怪談・怪異や日々の雑感を書き殴るオカルト風味オールラウンド雑記帳。だいたい10日前の世相を切ります。毎週月曜日と木曜日に更新!

2021年1月 23日(土)

 「青森怪談 弘前乃怪」原稿をカトワンさんにメール。すっきりしたので呑みにでも行きたかったが自粛。

 今年はまだいくつかの作家仕事があるのだが、大作家先生のように分厚くてびっしりと字が詰まった本を書くわけではなく、あくまでサラリーマンの合間にできる範囲のもの。基本、私は怪談アンソロジーにちょいちょい書くことを主として十年やってます。

 急に雪が解けてきたので妻に「いやー。いいね。冬、終わるね」と言ったところ「大寒も過ぎたしねー」と粋な返事があった。2月も雪が少ないようなら、「今年の冬は楽だった」と言えるのだが、まだまだ予断を許さない。期待すると降るんだ。誰か冬将軍の首を取ってほしい。

 誰彼と屋根に上らす冬将軍

 大寒や握る拳も凍てつけり

 しんしんと大寒の日は落ちるかな

                   公太   

 オンライン怪談の書き方教室の準備を進める。

 教室は今後もやろうと思っている。たまにTwitterで受講者募集の告知をするので、気になる方はチェックしてください。

#青森怪談弘前乃怪 #大寒 #俳句

2021年1月24日(日)

 昨晩聴き逃したNHK-FMラジオ「ジャズ・トゥナイト シリーズJAZZジャイアンツ アルバート・アイラー」を聴く。MCの大友良英さんもそうだったが、みんなアイラーを愛している。勢いで細田成嗣編「50年後のアルバート・アイラー」をポチる。

 届いた映画秘宝を読む。後で動画配信サイトでマイリスト作成しなければ。今年はもう少し劇場に行きたい。

 去年観た映画で何が一番面白かったか? と自分で考えても、海外ドラマのタイトルばかりが浮かぶ。動画配信サイトの黒船が来たときにあれほど「映画映画、劇場劇場、スクリーンスクリーン」と騒いでいた私もすっかり気持ちよく時代に流されている。

 怪談作家の雨宮淳司さんから「『心霊マスターテープ』面白いですよ」とレコメンドがあったことを思いだし、ウォッチリストへ。一ヶ月くらい何もしないで動画だけ視聴しないと、リストを消化できないことになっている。

#アルバート・アイラー #大友良英 #映画秘宝 #心霊マスターテープ #雨宮淳司

2021年1月 25日(月)

WOWOWオンデマンドで「ボーダー 二つの世界」を視聴。ちょうどミシェル・ウエルベックの「セロトニン」を読み始めたばかりだったせいか、「性」のテーマを強く感じた。見終わってから監督などについて調べていたら“Let the right one in”と原作者が一緒と知り、なんだかすっきり。二作とも「人間以上」を描いて人間を問うている。「ボーダー」に至っては虫は食うわ、性別も無いわで「人間以上」+「ヴィーナス・プラスX」。うーん、スタージョン

 ウエルベックはちょっと読んだだけでもブリブリにウエルベック。新作でこれとは枯れないもんだな、今何歳なんだろうと思ったら現在62才。ただのエロ爺じゃねーか!……とは言わせないものがちゃんとあるので読んでて楽しい。

 今泉佑唯さんとワタナベマホトさんの婚約ニュースからの流れに驚愕。モラルの観点から見て明らかに男が悪いのだが、ずーみんの幸せを考えると騒がない方が良いはず。

 人は「自分にとっての機能性」で付き合いを持つ他人を取捨選択している。人を機能性で計るとは何とアンチヒューマニズムな、と思うかもしれないが、ここでいう機能性とは資本主義的な効率、利益と違った機能も指している。

 「この人は優しいから付き合いたい」は言い換えると「この人は自分が優しいと思える機能を持っているから付き合いたい」だし、「この人は面白いから付き合いたい」は「この人は自分が面白いと思える機能を持っているから付き合いたい」だ。

 また、人はデザインにも好みがある。「この人は外見が美しい」というのは「この人の外見は私が美しいと思えるデザインをしている」と言い換えられる。

 この観点に気づくと、人々はそれぞれのパートナーを「デザインと機能性」のバランスで決定していると分かる。

 初心としては好みのデザインと好みの機能性を完璧に持ち合わせている人を望みたいところだが、そんな人はなかなかいないと人生の中で理解する。そして、結局は機能性がデザインの乏しさをカバーしていたり、あるいは逆に機能性をデザインの良さでカバーしている人をパートナーに選ぶ。

 こうやって言葉にすると、これまた人をモノのように見ているような印象を与えるかもしれないが、この話の肝要はあくまで「自分にとっての機能性」「自分にとってのデザインの良さ」であり、転じて、自己に絶望するあなたも誰かにとっての機能性とデザインを持ち得ている可能性があるということだ。

 私が結婚した時は「あの高田さんでも結婚できるのか」と妙に評判が良かった。

 私は万人にとってデザインも機能性も優れているはずなのだが、なぜかそのような評判であった。

#ボーダー二つの世界 #セオドアスタージョン #ミシェルウエルベック #今泉佑唯 #デザイン #生きるヒント(笑)

2021年1月26日(火)

 radikoが良い調子。

 ラジコが人気番組としてオススメしてくる番組を中心にチェックする。「はみだし、しゃべくりラジオ『キックス』」の山田ルイ53世さんのトークが恐ろしく尖っていて引き込まれた。これが昼間に放送されているとは、もはやテロリズム。ラジオはテレビより自由度が高いものだが、ここまでの自由があるとは思っていなかった。プロなのでいくらかの忖度はあるのだろうが、私が聴いた分には忖度を感じなかった。ハマりそう。

 「リリー・フランキー『スナック ラジオ』」ではBabiさんという面白い方を発見し、実りがあった。

 私立恵比寿中学は「エビ中☆なんやねん」「私立恵比寿中学 放送部」がありますよ皆さん。

 1月31日に「オンライン怪談の書き方教室」を開く。事前予約制で定員3人は既に埋まっている。

 なぜ教室をやろうかと思ったかというと、怪談クラスタの動向を眺望した結果、明らかにニーズがあることが分かったことと、こうやって教室を開いたことで文化レベルの向上が望めるからだ。おいおい、偉そうに。と言われるかもしれないが、今私が胸を張らないで、いつ胸を張るというのか。ただ「みんなが分かるように書く」のは簡単だし、何なら売る前に編集者が「みんなが分かる」ように直してくれる。それは大したことではない。大事なのは「面白く書く」だ。

 ちなみに私は面白く書けるぞ。うん。

#radiko #山田ルイ53世 #Babi #怪談作家 #大作家

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書いた人

高田公太(たかだ・こうた)

青森県弘前市出身、在住。O型。実話怪談「恐怖箱」シリーズの執筆メンバーで、本業は新聞記者。主な著作に『恐怖箱 青森乃怪』『恐怖箱 怪談恐山』、『東北巡礼 怪の細道』(共著/高野真)、加藤一、神沼三平太、ねこや堂との共著で100話の怪を綴る「恐怖箱 百式」シリーズがある。Twitterアカウント @kotatakada

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