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【連載日記】怪談記者・高田公太のデイリーホラー通信【#2】

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新聞記者として日夜ニュースを追いながら怪異を追究する怪談作家・高田公太が、徒然なるままに怪談・怪異や日々の雑感を書き殴るオカルト風味オールラウンド雑記帳。だいたい10日前の世相を切ります。毎週月曜日と木曜日に更新予定!

2022年1月5日(火)

 ひたすら「青森怪談 弘前乃怪」の編著作業。流れとしては著者の鉄爺、鶴乃大助、小林龍司、高野真からもらった原稿を読み、校正を施し総ページの調整をしている。最終的には編集・組版・作家の機嫌取りワンオペ男の加藤一さん(通称カトワンさん)が仕上げの最終チェックをする予定だ。

 基本的には面倒くさいことが嫌いで、飽き性ゆえ何をやっても長続きしない性分なのだが、怪談に触れていると「あー俺ってこういうの好きだなー」とアドレナリンと幸福感に満たされる瞬間があって、結果10年以上、怪談作家を続けている。これだけがアイデンティティとは思わないけど、こんだけやってるんだから、胸は張りたい。

 トランプ、バイデンという字面が長期間各メディアで踊っている。私は政治、世界情勢などに激しく疎い。責任を持った意見を言えるほどの知識がほとんどない。が、今の段階でトランプ支持はないのかなあ、という気がしている。見方によってはトランプを必要悪として認めることも可能なのだろうか。しかし、流石疎いだけあってバイデンのこともよく分かっていない。トランプがこれまでがっつりヤバい発言や行動を取って悪目立ちしているが、バイデンはまだ、私にも分かるような悪目立ちしていない。と、この辺まで考えたら、頭が割れそうなくらい知識がないことに苦しむのである。

 東京の友達から怪談をいくつか教えてもらう。

 The Stranglersを聴き直し。

トランプと星条旗

#青森怪談弘前乃怪 #加藤一 #トランプ #バイデン #TheStranglers

2022年1月6日(水)

 Twitterで見掛けた「事故物件 恐い間取り」のワンシーンで、オカルトコレクター・田中敏行さんが亀梨和也さんと同じ画角に収まっていて激しく驚く。どうも田中さんも出ているらしいとは聞いていたが実際にこうやって画像で見ると、なんともいえない凄みを感じる。

田中さんは「子供部屋おじさん」としての活動でアベマの番組にも出ていて活動範囲が広い。同年代(ずばり同じ歳)の中で、最も不思議な活躍をしている人だ。

ちなみに私が「同年代イケてる文化人」として注目しているのが、田中さん、ブックレビュアーの朝宮運河さん、ジャズ評論家の柳樂光隆さんだ。それぞれジャンルは違えど、過ごした時代が同じであるせいか「その感覚好き!」と素直に思えるコンテンツを提供してくれる。70年代後半~80年代前半生まれよ、時代を作ろうじゃないか。私は見守ります。

 今日もThe Stranglersを聴いた。曲が良いので時代の徒花感なく聴ける。

 たまにはオカルト関係のことを書こうかと思い5ちゃんねるを検索してみるが、どこにオカルト関係のスレッドがあるのか分からなく、時代にまったくついていけない自分に絶望する。2ちゃんねるの頃は分かったのに……。

#事故物件恐い間取り #田中俊行 #亀梨和也 #子供部屋おじさん #朝宮運河 #柳樂光隆 #TheStranglers #5ちゃんねる #2ちゃんねるの怖い話

2022年1月7日(木)

 ここ半年間、毎日毎日欠かさずLINEでやりとりしている住倉カオスさんから「なんか良い冒険スパイ小説知らない?」と問われる。しかし、私はほとんど冒険スパイ小説を読んだことがない。「ル・カレ以外知らないくらいのもんです」と素直に答えつつ俄然興味が。スティーブン・ハンターから始めよう。にしても「極大射程」は中国映画の原題みたいだよね。

極大射程書影

 これは怪談界を代表した意見でも何でもないのだが、怪談をより楽しむためには怪談以外にも触れた方が良いと私は思っている。実話怪談の新たな切り口を見つけるために映画、小説、音楽、芸術などに興味を持つのは有効だと思う。他の方は知らないが、少なくとも私は様々なものから影響を受け、実話怪談を書いている。

 Netflixドラマ「Sweet Home -俺と世界の絶望-」を一気に観る。お金のかかっていてクリーチャーデザインが良いというだけでも満足なのだが、コ・ミンシがキュートでいつまでも観ていたく思いました。韓国のコミックが原作ということだが、第1シーズンは大友克洋さんの「童夢」っぽいシチュエーションで、花沢健吾さんの「アイ・アム・ア・ヒーロー」感ある敗者復活物語。韓国は映画もドラマもハードコアで良い。ちなみに私は「かたや日本は~」みたいなことを余り言わない口ですのでご安心ください。

ヤフーニュースは緊急事態宣言絡みで持ちきり。飲食店勤務経験者としては暗澹たる思いだ。私にできるのは面白い怪談本を作って、誰かに少しだけ楽しい気分を味わってもらうことだと思う。それ以上は何もできない。

#ルカレ #住倉カオス #実話怪談 #SweetHome #コミンシ #童夢 #アイアムアヒーロー #緊急事態宣言

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書いた人

高田公太(たかだ・こうた)

青森県弘前市出身、在住。O型。実話怪談「恐怖箱」シリーズの執筆メンバーで、本業は新聞記者。主な著作に『恐怖箱 青森乃怪』『恐怖箱 怪談恐山』、『東北巡礼 怪の細道』(共著/高野真)、加藤一、神沼三平太、ねこや堂との共著で100話の怪を綴る「恐怖箱 百式」シリーズがある。Twitterアカウント @kotatakada

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