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【連載日記】怪談記者・高田公太のデイリーホラー通信【#14】青森は住みよい場所/ビジネスメールの煩わしさ/トヨタ未来都市を考える

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新聞記者として日夜ニュースを追いながら怪異を追究する怪談作家・高田公太が、徒然なるままに怪談・怪異や日々の雑感を書き殴るオカルト風味オールラウンド雑記帳。だいたい2~5日前の世相を切ります。毎週月曜日と木曜日に更新!

2021年2月21日(日)

 青森にまた冬が戻ってきてしまった。

 豪雪。

 東京は暖かいらしいですね。

 いくらインターネットが整って各地にコンテンツが満遍なく行き渡ったとしても、気候の地域差だけはどうにもならない。「ある時期、雪が降って生活に不便が生じる」という一点がある雪国が日本の中心都市になるわけがない。

 が、そこがいい。

 逆に言うと、雪と共に生きた生活から希少な価値観が培われやすい、表現者にとってはうってつけの地だ。

 都市からは絶対に生まれない表現をここから発信することができる。

 もちろん、地方からは都市感覚は生まれにくいという逆説が成立する。が、まあだから何だって話っすね。

 私は地方も中央も好きです。

 どっちかが圧倒的に優れているということもない。どっちにせよ、私が住めば「私が住んでいる所」になるだけ。 ああ、楽しい。

 ちょこちょこと溜まっている仕事に手を付けだすなど。

 私が所属する怪談愛好団体「弘前乃怪」関連作品が2作出ます。

 3月初めに発売のDVD「怪奇蒐集者 みちのく怪談スペシャル」は鉄爺、鶴乃大助、高野真が、黒木あるじパイセンと出演。    

 2月末発売の実話怪談集「青森怪談 弘前乃怪」は私、高田公太の編著で著者が鉄爺、鶴乃大助、高野真、小林龍司です。

 2作ともどうぞよろしくお願いします。

 こんなのもあるよ。

#青森 #地方の表現 #青森怪談弘前乃怪 #怪談蒐集者

2021年2月22日(月)

 サブスクから映画のサントラを拾っているうちに、イタリアンポップスに興味を持った。沼いぜ。

 会社から戻ると妻が仕事でZOOM会議をしていた。

 便利な世の中だ。

 怪談作家もちらほらZOOM取材をしているという。

 私はあまりオン/オフラインに拘りがないのだが、唯一あるとすれば、仕事のメールを打つのが極端に怠くなることがある。

 電話なら「これこれこれ」「了解」で済みそうなことを仕事のメールときたら、「●●様 お世話になっております高田です。うんたらかんたらうんたら」というのをわざわざパソコンを立ち上げて、メーラーを起動して、アドレスと件名を打ち込んでやり、なおかつ、返信を待つという、とてもまどろっこしい流れが生まれる。

 本文を作るにしても、ニュアンスが冷たくならないように、さらにちょっと下手に出るように、用件を誤解されないようにと考えるポイントが増えて、面倒です。

 口頭だと返ってややこしい内容だったらメールの方がいいけど、四六時中キーボードを打ってる私はいい加減もうキーボードを触りたくもない局面もある。

 しかし、以前とある人に簡単な用件で電話したら、露骨に「そういうのはメールで……」と眠そうな声で言われたことがあり、仕事で電話ばっかりしてる人からしたら逆にメールがいいんだろうな、とも思ったり。

 問題の大元は、私が新聞記者と作家というキーボード地獄になって当たり前の二足を履いていることでしょう。

 人に会って文章作成するばかりの毎日です。

 疲れたので早めの就寝。夜中に娘が私の手を握って「パパの手すべすべだ!」と騒ぎ出し、一度目が覚めた。

 そんな日。 

#イタリアンポップス #メール #社会

2021年2月23日(火)

 櫻坂46がかなり良い。キテる。大沼晶保さんと増本綺良さんがヤバい。面白すぎる。平手友梨奈さんが抜けて櫻坂になってからは全く違うファイティングポーズで戦っている。これは熱い。大沼さん、増本さんのおかげでテレビ東京の「そこ曲がったら、櫻坂?」は今一番ドキュメンタリー度の高いバラエティー番組だ。目が離せないにもほどがある。

 私はアイドルが好きだ。「アイドルなんてあんなもののどこが良いんだ」みたいなことを小馬鹿にした感じで言う人がいる。

 自分の好きなものに対して「●●のどこが良いんだ」と言われたらどんな気分になるか、想像できないのだろうか? 死ねばいいのに。

 TOYOTAが作る未来都市「ウーブン・シティ」が着工開始。

 富士山の麓、静岡県裾野市にできるウーブンでAIをはじめとした先端技術を使って住民が暮らす実験都市だ。

 自分が住むわけじゃないけど、楽しみすぎる!

 富士山の麓っていうのが、示唆的。完全にJ・G・バラードの小説だ。

 この都市で人の心にどんな変化が生まれるのだろう。

 わくわくが止まらない。

 私は動物の全てがプログラムで動いていると思っている。心と呼ばれるものもプログラムに過ぎない。

 先天的なCPUがあり、生きていくなかで固有のプログラムが生まれ、何かを決定するのは微に入り細に入りそのプログラムが決定しているに過ぎない。

 人に関して起きることは絶対に起きること、起きないことは絶対に起きないこと。もしも、なんてない。

 このように見ると、人を肯定しやすくなる。

 成功失敗という概念もなくなり「結果そうなった」という捉え方だけが残る。

 心という言葉を使わないと人を肯定できない世界では、善悪、良し悪し、成功失敗などの二分立が必然的に生まれ、これがとても面倒くさい。

 プログラムと効率だけで考えたらもっと楽になるはずだ。睡眠や娯楽、飲食などはデフラグと充電だ。

 プログラムは生きていれば上書きされる。

 OSのバージョンは経年で下がる場合もある。

 危険思想だろうか。

#桜坂46 #ウーブン #JGバラード #現代思想

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書いた人

高田公太(たかだ・こうた)

青森県弘前市出身、在住。O型。実話怪談「恐怖箱」シリーズの執筆メンバーで、本業は新聞記者。主な著作に『恐怖箱 青森乃怪』『恐怖箱 怪談恐山』、『東北巡礼 怪の細道』(共著/高野真)、加藤一、神沼三平太、ねこや堂との共著で100話の怪を綴る「恐怖箱 百式」シリーズがある。Twitterアカウント @kotatakada 新刊『青森怪談 弘前乃怪』2/27発売!

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